「それでも、生きてゆく」9話2回目


「それ生き」9話の録画しといたやつをまた見返してました。
クソ忙しい時に週に2度も同じドラマを見るハマリよう(汗)
何度見ても感心しちゃうんですが、粗も見えてくるようになりますね。
農園の子役の演技の拙さは見れば見るほど気になる。
子役だって演技力なくてはドラマの世界観が保てませんよ。悪いけどあの子は下手すぎてダメだわ。
ああいった台詞を言わせるなら年齢をあと2つほど小さな子をもってこなくては不自然ですし。
それと、どうも倉科の使い方が中途半端。存在が浮いてるのが気になる。(設定不備で)持て余した?としか思えない。


と、気になるところも多々ありますが、それ以上に惹きつける力が強力なのがこのドラマの良いところ。
坂元さんの脚本って、可笑しくしてるわけじゃないのになんか可笑しい、とか、凄くシリアスなシーンなのに、なんかフッとヌケてる、みたいなのが面白いんですけど、今回はそういうの結構あったな。
「父さんがデカすぎる」「そうか」とかw、
「強弱は?」「強で」とか、
告白を書いたナプキンをうっかり使っちゃって「あっ」みたいなのとか。冷凍みかんの顔文字とか。告白した後の瑛太さんのヘンな歩き方とか。
会話も少しずつズレてて可笑しい。
これも、本格的にズレてる場合と、わざとズラして微妙な部分にタッチしないように逃げてるパターンがあって、奥深いんですよ。
人間は、こうして小さな妙を積み重ねながら、生きてく。
世界は複雑で、心は一筋縄ではくくれない。ってのをディテールから表現してゆくのが巧いなぁーと思う。
なんか、最近このドラマを見る時はどうしても「鑑賞」モードだな。
(映画では良くあることだけれど)ドラマをこんな風に見るのって、もしかして初めてかもしれない。
登場人物の動きを「装置としての行為」という目線で分析しちゃう。それが楽しい。


旦那がこのドラマをリタイアした理由のひとつに「音楽の使い方がイヤ。ダラダラと「雨だれ」が流れてたりして」「オリジナルの曲(ツジイ君のね)がクドイ」ってのがあるそうで。
そう言われてみればそうかもしれない。
私は音楽脳ではないので、音楽がそれほど頭に入ってこないんですが、流れてくる音楽を全てキャッチしちゃうような人には確かにツライとこあるかもしれません。
無音でもまったく問題ないくらい、視聴者を惹き付ける魅力ある脚本だけに、惜しい部分もあるかな。
でも、すごく印象的な使われ方もしてる。要は量的バランスだな。
選曲は悪くない、てか、イイと思いますけどね。


俊介の(文哉の)アスリート級爆走シーンで使われている曲が、リストの「ため息」なんですが、めちゃめちゃグッときました。
なんでここにこの曲なんだ!という意外性と、胸にストンと落ちる絶妙な感じ。もはや今では「このシーンではこの曲しかない!」って思う。忘れ難い印象を残しましたね。
これが、殺人犯が猛ダッシュで逃げるときのBGMになるんだから凄い。