それでも、生きてゆく



未成年による幼女殺害の被害者家族と加害者家族の相克を描いた問題作「それでも、生きてゆく」を観てます。
いつもだったらこういった暗くて深刻なドラマは敬遠するのですが、これは圭くんが出てるので選択の余地などないのでした(汗)。
ウチのお嬢さんがね、もはや重度のケイヲタなのでー。
ミーハーなきっかけで見始めたものの、思いがけずにすっごく面白い(面白い…という言葉でいいのか?という気がしますが、とにかくいったん見始めたら気になってたまらない)ドラマで、続きが待ち遠しいです。
決して楽しい内容じゃないんですよ。テーマは重すぎ、ストーリーはやりきれなさばかりが残り、俳優たちの演技は神経衰弱ギリギリ。
緊張感に引っ張られるような、被害者と加害者のそれぞれの感情に揺さぶられてへとへとになりながら、それでも続きが気になってしょうがない。


でもこれ、視聴率一桁なんですよね…もったいない。脚本も演出も演技もすごいイイのになぁ。
題材が題材だから、最初から見るのを放棄されているんでしょうね。
題材が酷い犯罪を扱ったものでも、これほどまでに人間の心の襞に分け入った真摯な解釈があれば、それは「犯罪モノ」ではなく「人間モノ」として、誰もが心を沿わせて見ることができるドラマになると思うのだけど。


役者がまた、スゴイんですよー。みんなものすごく巧い!
大竹しのぶなんてもう、本領発揮の鬼気迫る演技です。彼女の演技だけ見ててものめりこんじゃう。「江」では寝てるんじゃないかと思うね。
エイタも満島も満身創痍って感じですけど、すごくイイ。被害者と加害者である二人がなぜ会い続けているのかという理由が、この二人を見ていると説明なしでわかってくる。言ってみれば”決して結ばれない”二人がどこかで絶望的に繋がってる感じが。
でもって、成長した「少年A」が風間俊介ですよ。健次郎!(違う)
もうね、さすがですよ。俊介はこういう役がホント巧いです。
疲れ果てている時任・風吹夫妻も、サトエリの生ぬるい存在もすごくいい。今回最後に出てきた謎の女=安藤サクラの不気味さも、ほんの一瞬だったのに期待値高いぞ。
圭くんは今回、エイタの弟役で役柄的には脇ですが、確実にこの不条理な世界観を支えています。個人的には村川絵梨と夫婦、ってのがなんかいい感じだなぁーと(「深夜食堂」では結ばれなかった二人だからw)
バックに流れるラフマニノフのピアノ(演奏:辻井くん)がまたぐっとキます。ヘタな音楽じゃなくて、ピアノ曲だけ、ってのが静謐でよいね。


今、見てるドラマは「それでも、生きてゆく」と「おひさま」だけです。
ちなみに「おひさま」はいまや完全にネタドラマと化してる。
ツッコミ入れてわちゃわちゃ言うだけのために見てる感じ。だってすっごいツマンナイんだもぅん。もう、なーんも進展しない茶の間ギャグで終始するだけでさ。陽子はどんどんかわいくなくなってくし(最近、育子やマチコさんにまで上から目線ですからねー。いよいよ若尾陽子に近づいてきたか)。
ついでにステキなテーマ曲まで、地の底から響いてきそうなドスのきいた歌とダサイ歌詞にて劣化しました。
ナニコレ。
どうしてこんなふうになってしまったのか?どこから何が狂ったのか?
楽しかった「おひさま」よカムバーーック。春兄さんよカムバーーック(涙)
でも見続けます。別の意味で楽しんでいるのでいいやw