「ロトチェンコ+ステパーノワ―ロシア構成主義のまなざし」展



展覧会詳細


昨日、地元の美術館に私の大好きな構成主義の企画展を観に行ってきました。
春頃に目黒の庭園美術館でやっていて、見に行きたかったのに行けなかった企画展なのですよ!
こういうのやってくれるからウチとこの美術館(てか館長さんのシュミ)はホントにブラヴォ!です。
企画展の一環で、ロシア文学亀山郁夫先生の講演なども行われました。(亀山先生は地元の出身です)
・・・が、これ、前売りチケット買っておきながら所用で行けませんでした・・・(哀)うううう・・・残念。
最近はドストエフスキー関係の話が多い亀山先生なので、久しぶりに構成主義関連の話を聞けると思って楽しみにしていたのですが。


展示作品は習作から広告まで多岐に渡っていました。
時代の雰囲気や表現技巧の潮流のようなものを知るにはすごくよくまとめられているのですが、(構成主義辺りの作品の特色として)コマーシャリズムに乗ったものや実用的なもの、実験的なものが多いために、一つ一つの作品にはあまり重厚な、いわゆる”絵画的存在感”みたいなものは感じにくいかもしれません。
前知識ナシで見るにはちょっとハードル高いかな?という気がします。
今では当たり前の意匠や発想も、当時(大戦間時代あたり)のロシアではとても斬新だったわけですが、その、当時ならではの驚きや新しさを心に留めながら見ることが肝心かもです。
まぁ、今見ても単純にオシャレでカッコイイ意匠も多いんですけどね。


ロトチェンコのデザインもステキでしたが、実は一番印象に残ったのはマヤコフスキーが手がけた広告コピーの文句でした。
マヤコフスキーがこんな可愛いポエム様のものを?!ってなものもあって面白い。
広告なんですが、ロトチェンコのデザインとマヤコフスキーのコピー文がペアになったものを現在の地点から見てみると、広告を超えた類希なる作品に見えるから不思議。


ついでに日本の構成主義の流れを汲む作品も展示されてるかなぁーと期待してましたが、そこまでは広がってなかったですね。
常設の連動企画で杉浦非水の地下鉄ポスターをはじめとする広告作品などが展示されていました。
ほんの少しだけ雑誌(プロレタリア関連)の表紙絵も展示されていて、そこに柳瀬正夢村山知義の作品もありました。
柳瀬正夢の描いたものと対峙すると、本当にキモチが入り込んでしまうの。これを描いていたときの正夢の気持ち、ってのを想像しちゃう。
好きなんですよねぇ。日本で一番好きな画家です。(世界で一番、はいろいろいて選べないけど!)



美術館の外に広がる穏やかな丘陵地。
秋の長閑な佳き日です(*^-^*)