「ガラスの葉」


今日は三軒茶屋世田谷パブリックシアターにて、圭くんの出演舞台「ガラスの葉」を観てきました(^0^)!
なんと初日です〜。



演目詳細こちら


脚本はイギリスの脚本家フィリップ・リドリー。演出の白井晃さんがリドリーの脚本が好きで、今までに何本も手がけてるそうです。
この作品はリドリーの6作目の脚本で、今回が日本初演になります。
事前情報であまりハッピーな話ではないのね・・・ということはわかっていたのですが、始まって数分で「あ、これは苦手かも・・・どうしよう」と(汗)。
脚本の雰囲気が明らかに私のシュミじゃない。でも、好きじゃないからと切り捨ててしまうのはあまりにも短絡的。
なので、「うわー困った」と思った時点ですぐに、この物語に共感や好意を持とうとするのを諦めて、舞台としてどう組み立てられているかをじっくり見ておこう、という方向に鑑賞姿勢をシフトチェンジしました。
たとえば(好き嫌い関係なく)否応なしに与えられる課題としての脚本があり、それを演出しなくちゃならない場合、どうするか?
主題に沿った効果的な演出とはいかなるものか?
演出の白井さんはこの難しいトーンをこちら側にどう伝えるのか?
・・・てなことを考えながら観る、という感じ。
シーンの展開や役者の演技やセットや効果や・・・そういう構造的なものをじっくり見ているうちに、それら一つ一つが違和感無くスッとこちらに届いているのを感じて、いつのまにかストーリーにも入り込めるようになりました。
そういう意味ではブラボーですね。オケなら「ブラボー!」って叫ぶところだ。とても丁寧に繊細に作られているのを感じましたよ。
でも、また観たいかどうかとなると・・・・うーん。もう一回観る気はしないかな(汗)それはやはり物語がシュミじゃないからであって、その他の理由では一切なく。


それにしても、シンドイ脚本だったです。
全体像を把握するのがとても難しいし、登場人物の言ってることは観念的で謎めいているし、どこからどこまでが真実なのかが不明でどこに軸をおいていいのかわからない。極め付けにとても暗くていびつで悲しいトーンがずーーっと霧のように蔓延しているの。
観終えた後も解決しないポイントが山積しております。
でもそれゆえに演技する側には手応えがあったのでしょう。感情の襞を丁寧に掬ってゆくようなデリケートで力強い、いいお芝居でした。
圭くんはナイーブな青年バリーを見事な咀嚼具合で表現してました。これ、めっちゃ難しかったろうにね。
彼は役を「演じる」のではなくて自然に台詞が言えるように理解を寄せて芝居をしたいとよく言っていますが、そのやり方で行くと今回の役はかなり苦労しただろうな、という感じ。
でも、完璧に(!)仕上がっていましたよ。上手いです!役にちゃーんと血肉が通ってました。初日だけど危うさは全く無くて、もうずっとバリーをやってきた雰囲気。
こういうの見てもつくづく圭くんは映画やドラマより絶対に舞台の方が上手いし、向いてるように思うんですよねぇ。
そりゃ手軽にTVで観られたら嬉しいけれど、本領が発揮できていないチョイ扱いも多いし・・・・複雑ですな。べつにバラエティとか出る必要ないしさ。
もうね、がっつりと「職業、俳優」って感じで行って欲しいね。中途半端なゲーノージンになんてならないで。
萩原くん、紙ちゃんも苦虫を噛み潰したようなギスギスした夫婦を、見てるこっちがうんざりするくらい見事に現出してました。でもちょっと「演じてる」感があったかなぁ。台詞の言い方、みたいなところで。
萩原くんが最初の方(圭くんとやりとりするシーンで)台詞の発声がビミョーに翻訳ドラマの吹き替えみたいなアクセントだったんですよ。ま、些細なことですが・・・一瞬でもなだぎと友近のコントを私に思い出させてしまったてのはちょっと惜しいね(^^;)。
紙ちゃんはボーっとしてる印象(っていうと言い方悪いけど、ほわ〜んと優しいイメージ)だったので、イライラした妻を演じてるのが新鮮でした。
蝶さん演じるお母さんは実にナチュラル!ダントツに上手かったです。ごく普通の会話に底知れない欺瞞というか・・・怖いな、と感じさせる不穏な空気をすごく上手く演じてました。子どもが感じる母の謎めいた怖さ、みたいなの。


客席は少なめ(小劇場ですからね)で、私はかなり前方のど真ん中。
またもや手が届きそうなところで圭くんの演技を見られました。微妙な表情の変化まで見えるから面白い。
こんな近くにいる、ということよりも、こんな近くで演技をみられるというのがとにかくスゴイ。(私は圭くん本人でなくて、役に入った圭くんを見にいってるので!)
カーテンコールのとき、”突撃プレゼント貢ぎギャル”が係員の制止を振り切って(?)圭くんの元に突進w 思いっきり動揺して顔が真っ赤になっちゃった圭くんを見ることができました〜カワイイーー(^0^)素顔の圭くんがひょこっと出てきちゃってラッキー!ギャルよありがとう。
とはいえ他の圭くんファンと思しき女性たちはザワザワっと。「ずるいよねー」「やだー信じられない・・・」といったブーイングも聞こえてきました。そりゃそうよね。
こういうのホントは反則ですからね。プレゼントは受付に預ける、ってのが正しいマナーだもん。ヌケガケする子がいい思いしちゃまずいわさ。あんなことで最後に悲しい想いをした子もいるでしょうね。
私は圭くんのファンだけど、そういう対象ではないのでこんなハプニングも面白かったし、突撃ギャルの情熱も微笑ましかったのですが、そんな平和なファンばかりではないですからね。
あ、そうそう!
お客さんとして江波杏子さんがいらしてるのをお見かけしました。めっっっちゃキレイ!肌なんてビックリするくらい肌理が細かくて透き通るよう。さすが女優さんですね。もうね、佇まいからして違う!眼福でした。


どうでもいいけど、あまりに芝居が暗かったせいか、帰りの電車の中で無性に明るい音楽が聴きたくなりました。
ベト7が聴きたい、って思った。
私の中で「明るい音楽」って、ベト7なんだな(笑)