「シャーロック・ホームズ」


公開時すっっごく観にいきたかったのに時間が取れなくて行けなかった作品。DVDにてようやく観られました。
最初の10分で「ぎゃ〜〜〜っ」て感じ。
期待以上!めちゃくちゃカッコいいぃぃぃ〜。面白いぃぃ〜。
RDJ(ロバート・ダウニーJr)のホームズとジュード・ロウのワトソンが、もうーー悶絶しちゃうくらい魅力的。
私もかつてはシャーロキアンの端くれだったんですが、小説で読むホームズと映像でのキャラ印象がどうも違うのにずっとモヤってたんですよ。
映像ホームズ(挿絵も含む。ビジュアル化されたホームズ全般ね)がどうにも嫌いでねぇ。痩せてて神経質そうで裏地がチェックになってるコートなんか着てパイプを吸って英国紳士然としてるってなイメージだったしょ。総じて運動神経ニブそうな爺さんっぽい感じでさ。対するワトソンはちょっと太目の満腹オヤジ>いかにも医者でホームズの言いなりになってる手下みたいな。
でも、原作で読むホームズってもうちょっと…なんていうか、ハッチャケたヤツじゃないですか。
ヤク中だったり不潔だったり喧嘩強かったりするんですよね。阿片窟なんかで徘徊してたりもする。ワイルドなんですよ、わりと。
なので、この映画のNEWホームズのパワフルさに痺れました。
まぁ、ガイ・リッチー監督のお好みどおりに過剰にマッチョでもあるのですが(^^;)、その心意気っていうか、弾けっぷりはある部分ではホンモノに近いかも、という気もします。まぁ、マンガになっちゃってるともいえるけど。
ワトソンもね、このくらいスタイリッシュですらっとしててくれたらいいですよねぇ〜。2人のコンビバランスもこんな感じがいいです。
かなり腐臭がするんですけど、絶妙にナイス。
ちょっとS風味のワトソンと、時々駄々っ子になるホームズ。「しょうがないなぁ」という感じでホームズの言うことを聞いちゃうワトソンにめろめろです。
ハリウッドにも腐女子っているのかなぁ?どう考えてもそのあたりをターゲットにしてそうな描写が多々あるんですよね。こういうのって万国共通か?
私はべつに自分では腐ってる自覚ないんですけど、こういうの見るといやおうなしにトキメいちゃって、「ああ…やっぱアタシ、腐ってるのか」と気づいたりします(でも、BLは嫌いなんですよ。女子が絡まないと駄目なの。ベクトルが半分女子に向いてる、というのが譲れない基本ラインw)
それにしてもジュード・ロウって化けるね。初めて好感持てたかも。今まであまり好きじゃなかったのよ。
RDJはいつものRDJだし、いわゆるホームズらしさなど微塵も持ち合わせていないのに、物語の中に入るとちゃーんとホームズになってるからスゴイ。物語力のある人ですよねぇ。


映像も素晴らしいです。
絵がきれい!迫力もスゴイ。口ポカーンで見入っちゃいましたからね。
特撮駆使して目の前にぶわわ〜〜〜と広がる19世紀末ロンドンの町の臨場感。今にも臭ってきそうで、頭がクラクラするほどステキです。
クライマックスの格闘シーン、橋の上から見るテムズの俯瞰。その素晴らしさにはドギモ抜かれます。見惚れちゃう。
CGのある時代でよかった。こんなステキな絵が見られるんだもん。
ベーカー街のホームズのお部屋もステキでした。美術さんのこだわりがぎゅっと詰まってるのを感じます。
すっごいマニアックに再現されてるであろう部屋の中で、ストラディバリウクレレのように弾く名探偵がステキ(^0^)
なんというかもう、あらゆるシーンの造型に、とことん作りこむハリウッドの底力を見ますよ。脱帽です。これが映画ってもんですね。
音楽もいい。
エンディングクレジットで流れるアイリッシュ風ダンス音楽(”The Rocky Road to Dablin”)が印象的でした。
作品の雰囲気を崩さず、そのラストシーンの余韻をうまく心に残せるような選曲。
脚本(てか、ストーリー)は、なんとなく「ダ・ヴィンチ・コード」っぽかったですけどね。テンプル騎士団と黒魔術、とか。世界征服とか荒唐無稽なのw
やはりダン・ブラウンの書く作品は衝撃大きかったんだろうな。どうも似たような話作られがちな気がします。でも、いいの。面白かったから。
謎解きもアクションもサスペンスも(いろんな意味での)ロマンスもファン受けするキャラやエピソードの取り上げ方も、
何もかもが「うわー♪(人´∀`).☆.。.:*・ 」って感じの楽しい映画でした。
何よりも、こんだけコミカルでもなんら違和感がないというのがスゴイ。そう。この映画、ホームズがコメディでもイケるってところが一番ワクワクしたかもしれない。