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5月に読んだ本(3)

Books

卑弥呼の赤い罠 (集英社文庫)

卑弥呼の赤い罠 (集英社文庫)


帯見て「お♪面白そう」と思い買ったのですが、かなり期待はずれでした。
考古学を研究する上での憤り(たとえば皇国史観が邪魔したりとか古墳掘れないとか右翼や左翼が文句言うとか)を訴えたいがための方便としての推理小説なんじゃないかという気もする。その気持ちはとても良くわかりますが、それを軸にしての小説の組み立てがイマイチ形になってない。ありえない設定とリアリティのない登場人物。トリックは穴だらけ。発想も展開もトンデモ風味。
こういう(推理小説という)形式でなく、時代考証ドキュメントみたいな形で主張したほうがいい内容だったんじゃないでしょうかね・・・

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)


以前から「本屋大賞」なんか獲っていたんでこの小説の存在は知ってはいたけれど、内容的に「アタシにはまずムリだわ(日常が舞台のミステリって嫌いなので。しかも中学生?勘弁してよ・・・)」と思ってスルーしていました。
が、映画になるとかで文庫化されたのがここのところ書店に山積み状態で、そうなってると一応「この本が売れてる理由」というものが知りたくなって手にとってしまう習性があるわけでね・・・遅ればせながら読んでみました。
いやー・・・びっくりした。ちょっとした衝撃。
今の日本ではこれが賞を獲るんですね、ってことが。
唖然とするほどの駄作でした。陳腐で後味が悪く下手糞だ。言いたかないが倫理観も欠如しており、馬鹿丸出しでもある。そもそもこういう嫌な話を「書きたい」「読みたい」という人の感覚がわからない。
それでも私は「自分のシュミじゃない」ってだけで「駄作」とは言わない。この小説はなによりミステリとしてダメなんですよ。構造的に駄作なのね。
そこが許せない。この作者が許せないってより(才能がない、というのは気の毒な話だというだけのことなので責める気にもならん)、たぶん、こんなの読んで賞をあげたり絶賛したりしちゃう馬鹿な読者が許せないんだろうな。そのレベルの低さが。じゃ、オマエは知性的なのかよと言われれば困っちゃうけど、少なくともこの本を推すほどガキじゃないっすよ。こんなんでいいなら誰も苦労はしないっての。

新・片づけ術「断捨離」

新・片づけ術「断捨離」


ノウハウ本のベストセラー。今まであらゆる片付け本を読んできたけれど、これはかなりおススメの1冊です。
「断」=入ってくるいらないモノを断ち、「捨」=溜まったモノを処分し、「離」=執着を捨て、自在な自分を生かす空間を確保する。
要するに”捨てる技術”みたいなやつですが、そこに心理的な改革を含んでいる(というより主にそっちが主である)ことが画期的です。実践しようと思うだけでワクワクしてきます。
私は捨て魔なんですけど、それでもここんとこどうにもモノが増えてきた。一気にガーッとスッキリしたくてモゾモゾしてる。
そんなときにコレを読むと、次なる行動が決められてラクです。「明日はあの部分を片付けよう」と思ってベッドに入るだけでも、気持ちに整理が付いて頭がクリアになります。
身の回りが片付いてなくてモノの多い状態というのは、絶対に人間の思考を澱ませます。これはホント!
余分なモノを捨てる(入れない、執着しない)だけで生きることがラクになります。

幽霊たち (新潮文庫)

幽霊たち (新潮文庫)


大好きな一冊を久しぶりに再読。
お嬢に「なにかいい本ない?」って聞かれて、まだちょっと難しいかなぁ・・・と思いつつもこれを薦めました。
パラパラとめくっているうちについ最後まで読んでいた。いつ読んでもしっくりくる。
愛着と共感、「自分と同じ人間がここにいる」という心地好い思いはやっぱりとてつもなく深い。しかもモダンで洒落てて知性があって品がいい。しみじみと、「ああ、ホント大好きだわぁぁオースター!」と胸が温かくなる。
多くのオースターの作品がそうであるように、これもまた物語を書く人間そのものを書いているので、ダイレクトに「私に」向かって語りかけてくれているような気分になるのです。オースターの作品を読んでいるときだけは、職業としての小説家だけが小説家であるのではなく、この私も正真正銘小説家なのだと思えるのです。なぜならオースターの世界では小説家というのは職業ではなく属性であるので。本来だったらはばかられるこういった物言いも臆せずできる。そしてその感覚に、少なからず私は救われるのです。
こういった心性を持っていない人が読んだら、オースターの小説はどのように響くのだろう?もちろんストーリーの面白さは折り紙つきですが、多分に”モノを書く側”の人間の心理をつつき続ける物語のどこに共感を得るのだろう?とかね、気になります。
お嬢の読後感想を聞くのが楽しみだなぁ。予想としては「なんだかよくわかんない」なんだけど(馬鹿にしすぎ?)、そうでなかったら面白いね。
※付記:お嬢はこれ、予想に反してとても面白く読み、気に入ったようです。なかなかいい感性をしておるぞよ。さすがわが娘(^0^)
こうした”本物の”小説を読むことで、センスを磨いていって欲しいです。