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今週読んだ本(第4週)

Books


■「チャイナ・レイク」 メグ・ガーディナー


チャイナ・レイク (ハヤカワ・ミステリ文庫)

チャイナ・レイク (ハヤカワ・ミステリ文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
親友の母の葬儀に狂信者集団“レムナント”のデモ隊が押しかけてきたのが最初だった。弁護士にしてSF作家のエヴァンは彼らと対決する。だが敵の本当の狙いはエヴァンの六歳の甥ルークだった。兄ブライアンの離婚した妻が“レムナント”に入信していたのだ。執拗な嫌がらせ、ルークに対する誘拐の試み。その背後には、陰謀が…カルト教団と対決するヒロインの活躍を描き、アメリカ探偵作家クラブ賞に輝いたサスペンス。


チャイナ・レイクってのは地名です(中華には関係なし)。カリフォルニア州南部のモハーヴェ砂漠にあるアメリカ空軍の基地の町。 
モハーヴェ砂漠は「バクダッド・カフェ」の舞台だったり、「ライトスタッフ」(←大好き!)で”音速を超える男”チャック・イェーガーが所属していたエドワーズ空軍基地がある場所でもあります。
私がつねづね「前世はここにいたかもしんない」てな夢想に包まれながら場所萌えしているのが、このモハーヴェ砂漠なのですよ。
というわけで、舞台となる土地の風景や空気をかなり楽しみながら読みました。私がこの小説に感じる魅力の大半はこうした「場所」の描写でした。
ミステリーというよりは、アクション・サスペンス。謎解き部分では、登場人物に対しての「実はこの人は○○だった」という発見から関係性が再構築され、絡んだ糸がほぐれてゆく・・・といった進み方をしますが、これに関しての説明があっさりしすぎる感じ。アクションに力を入れているせいで、謎の回収が慌ただしく流されてるような(?)。
カルト教団の描き方がとても上手く、恐怖心を掻き立てられます。この土地特有かもしれない(?)イライラするような粗野な登場人物の描写とか、場所の持つ雰囲気を出すことも実に巧みです。
見どころはヒロインが遭遇するバトルの数々。これがかなりハデです。特に、ラストの「戦闘」シーンは大掛かり。
スピード感はあるし、ヒロインは強くしなやかな美人SF作家(弁護士でもある)、舞台となる風景もやたら絵になる、と3拍子揃っているので、映像化するのに向いてそうですが、そう考えるとありがちな絵が浮かんだりもします(砂漠は見たいけど、それもアメリカン・ニュー・シネマから続く常套的なパターンって感じですしね)。
同じヒロインのシリーズが5作(=未邦訳)出ているとのことですが、私はシリーズの次作には食指動かないかもな。悪くはなかったけど、もうちょっと推理にチカラ入ってるモノの方が好きですし。
文庫の帯に「スティーヴン・キング、ガチ惚れ!」という煽り文句がついてて、購入のきっかけは「エドガー賞受賞!」ではなくてこっちのキャッチだったりします(汗)。こんなあからさまな宣伝も馬鹿にできないネ。
ちなみに邦訳版よりも原書の表紙の方がステキに”モハーヴェな雰囲気”が出てます↓