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 今週読んだ本(年明け〜第3週)

Books


できるだけ週末に読書記録をつけていきたいと思います。
今回は年明けからの2週間に読んだ本。


■「夜がはじまるとき」 スティーブン・キング

夜がはじまるとき (文春文庫)

夜がはじまるとき (文春文庫)

キングの短編集です。
思いつかないようなアイディアというほどでもなく、わりとありがちなビックリ箱であるのにも関わらず、常に極上の驚きをもたらすのはひとえに文章の巧みさゆえなのだなぁ・・・と、文学者としてのキングへの惚れ込みは増すばかりです。特に土地の持つ空気を書く力量はハンパじゃ無い。どうしたらああいう「場」が書けるのだろう?ホントに毎度感動するのは怖さよりもそこだったりする。
パねぇ「場」の描写力が一番よく現れているのは「N」。読み始めから結末が見えてしまうというすごく既視感のある物語なのに、圧倒的な濃さで映像が迫ってきてグイグイ引き込まれる。
私がいちばんキングらしくて好きだな、と思ったのは「アヤーナ」(あとがきを読んだらキング自身も気に入ってるとあった)。怖かったのは「魔性の猫」←これは読みたくない怖さ。気持ちも悪い。往年のゴシック小説みたい。「どんづまりの窮地」はいやがらせ並みw
なんにせよキングはすごい。


■「台湾論と日本論」 謝雅梅

台湾論と日本論―日本に来たら見えてきた「台湾と日本」のこと

台湾論と日本論―日本に来たら見えてきた「台湾と日本」のこと


■台湾セクシュアル・マイノリティ文学3「新郎新“夫”」 


以上2冊は昨年図書館で借りて年越ししたもの。
台湾論と日本論」は2001年に書かれたもの。私が一番台湾にハマってた頃の日台関係やその頃の空気がつかめます。基本的には日本統治時代に子供時代をすごしたお年寄りに話を聞く、というありがちな本ですが、書いているのが日本の大学にいる台湾人の女性で、すごくフラットな立場で個人的な疑問を軸に動いているので、とても読みやすいです。最後のヨシリンとの対談はいらないな(←個人的シュミの問題)。
ゲイの男の子の青春を描いた「新郎新“夫”」は、そのまま映画になりそうな感じ。主人公の男がつるんでる19歳の男の子の描写に「若い頃のトニー・レオンに似てる」というのがあって嬉しかった。めちゃくちゃ具体化された映像でバンッ!と頭に入ってきたからねw カワイイなーしかもイロっぽい。若い頃の偉仔って果てしなく魅力的だもん。そりゃー物語ができちゃうよね。他に5編の小説が収録されています。ビアンモノも。


■「勝間さん、努力で幸せになれますか」 勝間和代×香山リカ


勝間さん、努力で幸せになれますか

勝間さん、努力で幸せになれますか

話題の本。どちらの言い分も、それぞれの立場と経験から出た率直な意見なのでしょうが、とにかく噛み合わない。住む世界も価値観も違うので、激論といえども正面からぶつかれずどこか上面を滑ってるように感じます。以前お二人の著書を何冊か読んでいるので、この企画自体はすごく楽しそうだと思ったのだけど(←出版社の思う壺)、フタ開けたら思ったより不毛。喧嘩にもならない。相手を自分の意見の元にねじ伏せようとするかつての下品な「アグネス論争」とはワケが違う。
べつにね、立場も生活も価値観も違う者同士が折り合おうとしなくたっていいんだよね。それをお二人はわかってらっしゃるし。お二人ともその発言や著書を通していろんな人の力になっていることは事実ですし、それでいいじゃないですかね。勝間さんを必要とする人もいれば、香山さんを必要とする人もいるわけで。
・・・とは思うけど、ぶっちゃけ香山さんはずいぶんこじれちゃってるんじゃないかなぁという気がします。この対談の役割上、多少演じている部分もある?なんかやけに寂寥感に溢れておりましたが・・・(汗)。
何が「幸せ」でどういう状態が「成功」かなんて人それぞれだけれど、幸せを感じやすい人と感じにくい人ってのは確かにいて、その差は環境や状況ではなくて、単純に資質の問題かもな、とも感じます。思考回路とか感じ方とか、そういう部分での。状況変えられずとも思考法変えるだけで幸せになれるケースは多いと思います。幸も不幸も人間力、かもよ。



■「Q 人生って?」 よしもとばなな


Q人生って?

Q人生って?


書店で立ち読みをしていたらポロポロと涙がこぼれてきちゃって続けて読めなくなったので買いましたwばななさんの著作は読むと泣きがちなので、ちょっとニガテ(いい意味で、ですよ)。人生相談ごときでも。
こんなことは言いたくないし、本当はそんなことはないのかもしれないのだけれど、ついつい「親が違うと子も違うのだなぁ」と思ってしまいます。
ばななさんのお父さんの隆明氏には、大学時代にものすごく影響を受けました。卒論のテーマにしたほどです。アカデミズムから遠かった私の手を引いてくれた素晴らしい思想家です。その娘さんが、同年代のどの文筆家よりも思索的で説得力をもっていることは、当然なのかもしれませんが、やはり嬉しいものです。
驚くのは、ばななさんの文体というか口調(エッセイ特有の話しかける感じ)が、お父さんと瓜二つなのです!もうね、ほんとにそっっくり。隆明氏のエッセイは特に最近は語りおろし、みたいなスタイルなのですが、それと、ばななさんのネットでの書き込みをもとにしたこのエッセイの言い回しが同じだということは、つまりこの親子の口語スタイル(実際の話しぶり)は実に垂直方向で同化してるのだなぁーという感じ(遺伝?というより、同じ言葉の元に暮らした家族なのだな、というね)。そんなところがなんか、ほのぼのと可愛らしかったです。


■「開成学園 男の子を伸ばす教育」 芳野俊彦

開成学園 男の子を伸ばす教育

開成学園 男の子を伸ばす教育


憧れの開成学園の校長先生が書いた教育論。男の子を育てるのに必要な心構えが書いてあります。いろいろと参考になりました。
開成の教育方針は旧制高校みたいな、真のエリート教育なんですよね。やたら勉強だけできる学校、というイメージがあるけれど実際はそれだけじゃなくて、部活も行事もスポーツもすごく真剣にやるし、修身(道徳)みたいなこともきっちりしてて、生徒と先生の間柄も密で、古きよき時代の男子校(詳しくは知りませんが読んだり聞いたりする限りで想像する)の姿に似てる気がします。
いいなぁ・・・こんなところにボクちゃんを入れたいなぁ、と思います。←ま、思うのは自由なのでね(^^;;)。せめて家庭で実践できることはやっていきたいです。


ハウツー本(というか、人生本みたいなの)がやっぱり多いなぁ・・・。この手の本が妙に好きなんですよね。お恥ずかしい。