「深海尋人」


そういえばこの映画のレビュー書いていませんでした。
ツイ・ハークの3年ぶりの新作で、香港では去年の夏に公開されたものです。
公開後あまりの不入りにすぐ打ち切られ、即DVD化されました(日本語版は出てません)。そうなった理由は観ればわかる、って感じかな(^^;;)。
遅ればせながらレビューを。ネタバレしてますのでご注意ください。


出演は李心潔(アンジェリカ・リー)、郭暁冬(グオ・シャオドン)、梁洛施(イザベラ・リョン)、張震チャン・チェン)、梁家輝(レオン・カーファイ)、そしてアタシの張震嶽(なにこの私物化w)です。
ダイビング中に行方不明になり、頭の無い死体となって発見された陳国棟(グオ・シャオドン)。彼の身に一体何が起きたのか?を知りたいと探る婚約者の高静(アンジェリカ・リー)と彼の妹・陳小凱(イザベラ・リョン)。友人の海洋考古学者・海雅阿木張震嶽)や病院長(梁家輝)の協力を得たり、霊感の強い神経症患者サイモン(張震)の独特のアドバイスを受けながら、謎の真相に近づいていく…かのようにみえて実は…って話。


この作品、駄作と評されることが多いようですが、やっぱり噂どおりでした(^^;;)。
でも、随所にツイ・ハークらしい魅力もちゃんとある。惜しい。
何年かに一度しか映画撮らなくなっちゃったんで、ここぞとばかりに盛り込みすぎたのかもね。もっと映画作らしてやってよ…
最初のうちはなかなかブルっちゃいそうな怖〜いホラー物の様相で、かなり引き込まれました。
怖い怖い。ドキドキしちゃった。指の間から画面見る、みたいなビビリかたしちゃったくらい。
(古いエレベーターの隅に黒装束に身を包んで佇む人、とか…超怖い!あんなエレベーター、誰も乗ってなくたって怖いっっーのに幽霊と同乗するなんて失禁する!)
ところが途中からいきなりどんでん返しが起こって、精神疾患抱えた患者の話になっちゃうんですよ。
要するに「全部主人公の妄想でしたー」みたいなオチへと向かうの。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工・・・そりゃないよぉ〜って感じ。
前編(=ホラー)と、後編(=病気)のトーンの差ってのがもう完全に違和感があって、混乱しますし、急につまんなくなります。
ホラー編で匂わせる古代の遺跡の話も、呪いの石版登場か?!な勢いだったのに、結局、何の意味もないし。
悪霊に殺されたはずの阿嶽が、ホントは生きてた(再び登場)ってのが唯一嬉しかったくらいですw
エキセントリックな神経病患者だったはずの張震がホントはバリバリのエリート医師だとか、悪霊に取り付かれて殺人鬼と化したイザベラが心優しい介護者だとかって口あんぐりですよ。
立ち上がりまくっていたあのキャラはどこへ?って感じですからね(張震なんてすごい熱演で、完全にキャラ立ちしてたんですよ!)。
前半が面白かった分、後半がめっちゃくちゃ。
で、一番キャラを変えなければならないはずのアンジェリカにたいした変化が見られないからまたわけがわかんなくなる。


ツイ・ハークの作品に阿嶽が出るとは!と、観る前は狂喜乱舞だったんですが…
フタあけてみたら別にどうってことない使われ方してるし、なんか扱いが雑だしで、「ふーん」みたいな。
阿嶽は役柄に合ってましたが、特に阿嶽でなくてもいい感じ。もちろん役者じゃないから演技なんて天然ですしね。
その程度なのにあえて阿嶽にオファー出した理由のほうが気になります。ツイ・ハークはいったい阿嶽のどこが気に入ったんだろう?
たしかに風貌はすごく海洋学者っぽかったですけどね。



雰囲気、出てるっしょ。
こんなステキな先生が悪霊に殺されちゃうんですよ〜ヒドイわー(復活しますけどねw)。
阿嶽って映画に出ると死ぬ役ばっかりなんですよ。しかもたいていが殺人容疑で追われる身だ。
どんなイメージなんだっての(^^;;)。
ってか、見たまんまじゃんか。見たまんまのタイプじゃないんですけどね実際。
今回、学者役だっただけでも大進歩です。あんなオドオドした教授いたら、萌えますな(・∀・)!研究室に入り浸るな。
入り浸ってても相手にされないような気がひしひしとするところが悲しいわ…