藤原真理 チェロリサイタル


チェリスト藤原真理さんのリサイタルに行ってきました。


曲目


ラフマニノフ:ロマンス ヘ長調 作品4の3
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ ト短調 作品19
ファリャ:「7つのスペイン民謡」より ムーア人の織物、シャンソン、ホタ
間宮芳生:ちらん節、銀鶴節
グリーグ(寺嶋陸也編曲):ヴェスレメイ作品67の2
さくら草 作品26の4
ペール・ギュント組曲より ソルヴェイグの歌
シューマン:3つのロマンス 作品94


アンコールの曲目はこちら↓



(ピアノ:倉戸テル)
2009.11.13 栃木県総合文化センター


大好きなラフマニノフから始まる魅力的な曲目がそろっていて、楽しめました。
アンコールで有名どころ(聴衆が「チェロのリサイタルだったらこれ絶対聴きたいわー」って思う曲w)がきっちり入っていたのも、サーヴィス精神満載で素晴らしかったです。


今までチェロのリサイタルといえば宮田大くんのしか聴いたことなくて、今回初めて他の演奏家のリサイタルに伺ったわけですが…
わりと様相が違うので、驚きました。プレーヤーの色(特色)ってのは、かなり大きくあるのだなぁーと。ってあたりまえか(^^;;)。でも、如実に違いましたからね、「ほー」っと思ったわけ。
藤原さんのチェロはとにかく繊細。
細く静かにスーッと伸びる美音が特徴です。これはもう、胸に染み入ります。
ブレの無い、絶妙なビブラートがうっとりと心地いいのです。
けれど反面、どうにも音量が足らないような気もします。優しすぎるというか、もうちょっとこう、ガツンと!ってなことを何度か思ったりもしました。
これもまぁ、聴くほうの好みの話なんでしょうけどね。私の趣味の問題です悪しからず(^^;;)(宮田くんは爆演派で、ゴリゴリ弾くところが気に入っているのです)。
ピチカートなどもどうにも音量が足らない気がしちゃって。ホールだから特に。
これ、室内楽用のサロンみたいなところだったらもっとステキに響くと思うんですよ。
チェロ1本で大ホールってのは、正直しんどいでしょうね。
今日初めて、チェロを弾くのって重労働なんだろうなぁってことを感じました。
チェロに対峙する体の大きさや演奏時に伸びる腕の長さなどから、視覚的にそう感じたのね。やはりガタイのいい男性と、小柄な女性とは様子が違う気がします。


今日、一番驚いたのは、最前列のお客さんで演奏中ずっと絵を描いていた老婦人がいたことです!ええっ!(ダジャレか)
水彩画の持ち運びパレットと簡易洗筆容器を抱え、藤原さんの演奏する様子や、手の表情などを描きまくっていました。
なんか、欧米人みたいだなぁ。
しわぶき一つ許されない、紙袋一つ動かせない、息をするのもキンチョーしちゃう雰囲気の日本のクラシックコンサートは、もっとリラックスして聴けないもんかと思わなくも無いですが、さすがに絵を描き続けるってのは斜め上いってます。すごいわー。
私は個人的には良いも悪いも言うつもりないですけどね。驚いただけ。