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中村紘子ピアノリサイタル

Concert



紘子先生のデビュー50周年記念リサイタルに行ってきました。
事情があって開始時間に間に合いませんでした。(コンサートの開演に間に合わなかったのって実は初めてかも?)
幕間まで入場できないものと諦めておりましたが、ありがたいことに途中入場させてもらえました。
遅れて来た人たちが一つの入り口に集められて、1曲目が終わった時点でホールの後部2階席の端に案内され、とりあえずそのブロックの空いてる席に座って聴かせてもらうことができるっていうありがたい誘導がありました。助かるね。
私は今回最前列のチケでしたから、階上から見て目立つ席が空席になっていることに申し訳なさを感じました。紘子先生、ムッとしたかなぁ・・・とか思っちゃって(そう思わせるキャラ(汗))。まぁ、2階席から上はガラガラでしたけどね。

曲目


シューベルト:4つの即興曲 Op.90 D.899
武満 徹:リタニ マイケル・ヴァイナーの追憶に I.Adagio
一柳 彗:「雲の表情」I , II , III
ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35 “葬送”
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58


★アンコールは下の画像参照



2009年9月11日 栃木県総合文化センター 大ホール


スタープレイヤーを聴きにいく・・・という興奮と同時に、春のエヌ響定期でのラフマニノフで前代未聞のやらかしを見せてくれた紘子先生のことなので、実のところかなり「今度は何をやらかしてくれるんだろう」な好奇心がありました。
なにせいろんな意味で伝説の人ですからね。スターならではのぶっ飛びなところがありますから。
実はこの公演の前に、ホール関係者から自宅に電話連絡があったんですよ。
中村紘子さんの希望により、公演のチケットを買った方一人一人に確認のお電話をしております」っての。
何事かと思ったら「お子さんは同伴されますか?」ということを聞かれたのです。(コンサートにはもちろん未就学児は入れませんが、小学生以上であれば入れます)
こんなこと前代未聞でしょう?
紘子先生は、子連れの方達を対象に劇場を通して前もって何をか注意事項を伝えたかったらしいんですよ。
1件1件に電話までしてですよ!
キビシイ〜(^^;;)。
ま、そんなこともありーの新春ラフマニノフ事件もありーので、行く前からドキドキしちゃってたというわけ。


ナマの紘子先生(しかも最前列で見る至近のお姿)は、ものすっっごいオーラがありました。威風堂々、ですね。
光り物がタップリ付いたモノトーンのドレスを翻し、自信満々で微笑む姿は怖いものなしという感じです。どんな演奏でも、「コレが私よ。悪い?」と言われて納得させられそうな勢いですよ。ワクワクするね。
今回の楽しみはショパンソナタ2曲です。
「普通」に弾いてもらえるとは思っちゃいませんでしたが、案の定、いろんな意味でなかなか聴けない演奏でしたよ。
なんというか・・・これは私の知ってる「葬送」じゃなかったっすねw
あっ気に取られました。
ボーゼンとするほどの爆奏での葬送だった。どんな葬式や。
終始一貫して爆演なので、一番の聴き所である、あの、雲間に光が射すような転調部のメリハリなどは望むべくもありません。
最初から直射日光ガンガンあたってる感じ(爆)。暑い・・・
最初からMAXの勢いで思いっきり弾くからクライマックスがクライマックスにならない・・・といった感じなんですよ。
振り切れちゃってるからもはやそれ以上に振りようがない、みたいな。
それでもって勢いがあって全般的に早い(せっかちな印象)なので「流してる」「やっつけか?」「早く帰ろうとしてるのか?」的な雰囲気もある。
これは聴く人を選ぶよなぁ。
ソナタ3番(私はこれ、2番よりも思い入れがあります)は、2番よりは聴きやすかったです。
まぁ、でも、いつも(CDで)聴いてて耳に馴染んでるのがキーシンの演奏なので・・・それと比べると違う曲のようでした。
ミスタッチもところどころに出ますしね。
ミスタッチが悪いとは一概には言えませんが、普段聞き慣れている人が私の場合極端にミスタッチが少ないんでねぇ・・・気になっちゃうんですよね。
(ボロジャもキーさんも、ワンツーと言っていいほどミスタッチしない人ですから。特にボロジャはカンペキなのよ!)


ソナタはそんな感じで、私にはわりとトンデモ演奏だったのですが・・・でも、この演奏が好き、という人のいるのもわかります。それだけ「他と違う」ということですかね。某所で紘子先生を評してのこんな言葉がありました。

「絢爛たる大雑把」

まさに(笑)。言い得て妙です。
それでもやはりかつてのヴィルトゥオーゾは健在で、アンコールの幻想即興曲は珠玉の演奏でした。
軽やかで瑞々しく、粒のように音が舞っていて・・・とにかく素晴しかったです。


トンデモもあり珠玉もあり貫禄もありオーラもあり威圧感もあり茶目っ気もあり・・・の、楽しい演奏会でした。
開演に間に合わないと決まった時、行くのやめようか・・・と一瞬思ったのですが、途中からでもいいやと出かけてきて本当に良かったです。
思えば日本人離れした人ですよね、紘子先生は。この方のようなピアニストは、今後も日本には出てこないような気がします。


あーそれと。
どうでもいいけどホールに入ってた喫茶業者のロールケーキがゲロマズでした!
一口食べてクリームの味が完全にヘンで吐きそうに。
慌てて口直しにミントタブレットをがーーっと食べてコーヒーで流し込んだらさらにトンでもない味が広がりパニックになりました。
キツかったわー。