「ジャンプ」

水曜日の情事」以来すっかりネプ泰造落ちしてしまってます。
このドラマ、ホントに面白かった。一輝のおかげで新しい楽しみに出会っちゃいましたよ。
やー、もちろん一輝は大好きです、もうずっとね。でも、今は泰造が気になって仕方ない。前園先生、最高だったなぁ〜。
私は昔からネプちゅん自体が好きなので、バラエティでの彼らはわりと常時観ています。ネプリーグは欠かしてないしw
でも、そこでの泰造にはなーんにも感じるところはないんですよ。ただの気のいいアンちゃんでね。
なんで演技に入るとこのヒトは別人みたいに輝くのだろうなぁ。
謎。


泰造に惹かれる一番の理由は、彼の持っている物語喚起力みたいなものなんですよね。なんかね、絵空事じゃないんですよ。「生身」っぽい。匂いがする。
私の頭ん中でも動かしてみたくなる。いろんなシチュエーションを用意してそこに生かしてみたくなる。あんな顔をさせたい、こんな行為をさせたい。とにかく妄想を呼ぶ。
妄想は、恋に似ているのです。似て非なるものですが。
そして恋(もどき)は、物語の動力となるのです。


というわけで、演技してる泰造が観たくてたまらず、主演映画をレンタルしてきました(ふへへ…*´∀`)

ジャンプ [DVD]

ジャンプ [DVD]

  • 発売日: 2004/11/26
  • メディア: DVD


佐藤正午原作の「ジャンプ」です。
あまり期待していなかったんですが、予想外になかなかいい感じの作品でした。
泰造の演技はサイコー。才能あるのね、やっぱり。
恋人が突然失踪してしまい、探し回る男(=泰造)が、5年後に真相に辿り着くという話。
サスペンスでもあるけれど、ごく日常的な物語のようにも思える、不思議な臨場感のある作品でした。
でもこれ、元気の有り余っているイケイケの状態で観たら、あまり心に来なかったかもしれません。
このところ私、とっても疲れていて、気付くとぐったりとどこかに寄りかかっているような…ちょっと低調モードですので、この作品の世界観にすっ、と入っていけた気がします。
とにかく全編に渡って泰造が疲れ果ててますからね(笑)。
背広着て(似合う!相変わらずリーマンやらせると右に出るものなし)、コンビニの袋ぶら下げて溜息つきながら電柱に寄りかかってる…ってな風情の連続ですよ。
恋人の失踪という非日常に晒されながら、でも、そこにはがっつり日常がある。くたびれた日常が。
物語は細部(ディテール)に宿る、の言葉どおり、小さな描写の積み重ねも上手い演出でした。
線路沿いの喧騒、夜の路地裏、一人きりのアパート。どこも見慣れた日常です。日常「だった」ところ、ですかね私にとっては。
かつて東京に暮らしていた頃の空気を強烈に思い出させる映像には明確な「場の指定」の意図が伺えました。
それは失踪した彼女が行き着いた場所と、不在となった東京とのコントラストをつけるためだと思うのですが、これがとてもよく撮れていました。


ありふれた場所にいるありふれた男が、誰にも理解の及ばないドラマを抱えている。
人は、一人一人が人知れず特別で唯一で孤独で他者の理解の及ばない物語を抱えて生きてゆくのです。
でも、そんな中でも人は支えあってるもんなんだよ…それを信じていかなければね、という…どこかホッとするようなラストが用意されている物語でした。



今夜は折りしもグッドタイミングなことに、泰造の新作ドラマ「ツレがうつになりまして」がNHKで始まります。
呼ばれてるような気がするねひしひしとw

うつ病の患者さんを演じるために泰造、激ヤセしております!かなり入り込んでいるようですよ。
痛々しくも静かに燃える渾身の演技を早く観たいです。
なんつってもNHKですので(「篤姫」の好演が効いた?重宝されてるね)視聴者の数と評価の厳しさが違うからちょっと心配ですけど…きっと大丈夫でしょう。
お芝居の上手さを見せ付けちゃえー。
このドラマについてはまた後で。