「容疑者Xの献身」


一輝祭り進行中。これも劇場に行きそびれていた作品。
TVの「ガリレオ」は全部見ていたけれど、これは桁違いに面白かった。たぶん原作のもっている底力だと思う。
映画的にはTVドラマの延長、といった作り(別に映像とか凝ってないし、変なセリフもフツーにあるし、雪山や爆破シーンは要らないと思うの)ですけど、地の話の面白さで引き込まれるといった感じ。


お嬢が先に原作を読んでいて「すごく面白いから読んでみなよ」と勧められていたのですが、東野さんの作品はどうも暗くて読む気にならずスルーしていました。
基本、私が読むのは海外ミステリばかりで、近年の日本作家(島田荘司除く)のミステリーはニガテなんですよね…食わず嫌いは良くないかもしれないけど、身近な世界で犯罪が起きる話はどうも抵抗感があって。
DVDを観た後、遅ればせながら原作を読んでみたら、描写が深くてさらにドラマティックでした。スゴイのね、東野さんって。上手いわ〜。
でもやっぱり暗くて絶望的。エンタメとしては私には荷が重い、かも。
そりゃね、やってるこた犯罪なんですからね「献身(=愛、なの?)」だけでは語れない悪がなければおかしい。映画ではそこが希薄で、淡々としていたけれど、だからこそ万人受けするんでしょうね。


俳優陣はみなさん世界観を壊さないよう、それぞれの役割をきっちり演じていました。
TVで基本ラインができているから、演じるほうも観る方もその分楽だとは思います。
堤真一はさすがの巧さ。
マシャはいるだけで華があるし、柴崎嬢もそのままそこにいます(あまり出番は無いような気もしましたが、とりあえずいる、って感じ)。
一輝は原作重視すれば必然的に重要な役です。ここがTV版と違う。ゆえに柴崎嬢の扱い方が難しくなるのだろうな。
というわけで出番はタップリ。ひー。嬉しいー。
しかもいっっつもカッコいいんですよねぇ〜クサナギ刑事って。好きな役です。
なんといってもあの短髪がツボ!
前髪ハラリとか、ロンゲとか、ちょんまげとか、もうどんな髪型より短髪サイコー。で、カタギさんの背広だ。サイキョー!
いっそのこと湯川&クサナギというコンビでもう1作くらいどうすか?TV特番で十分ですからっ。