ロック画報のフォークル特集号


スペシャサンプラーCD付き(第1次フォークル解散コンサートの未発表音源入り)の特集号。
古書で入手しました。嬉しい!
今や完全にフォークル漬けのワタクシ。でも、音楽を聴く以外にはあまりその周辺のことは気にしていなかったのですよね。
ここんとこようやく彼らの当時の様子だとかどういう立ち位置だったのかとか、彼らの言葉が気になるようになってきました。
この特集号はかなりの充実度で、大満足でした。
メンバーのインタビューあり、クロニクルあり。ディスコグラフィーなども初心者には嬉しい限り。
「フォークルを読み解くための洋楽特集」も、サービス企画のようでとてもナイスです。ためになるねぇ〜。


デビュー前から解散してて、デビュー後一瞬で世の中をかき回し、たった1年で花火のように再び解散してしまったフォークル。
彼らがどれだけ凄くてどれだけススんでいてどれだけ自由だったか。それはもう、ホントに奇跡のようです。
あんなにも才能が有ってセンスが良くて時代を先に進んでいたグループは当時はどこにもなかったのだなぁという感じ。
彼らの周辺を掘ってみれば、これまた出るわ出るわ芋蔓式に手繰り寄せられるものは60年代末〜70年代の音楽シーンやサブカルチャーの中心的なところに深く関わっていたものや人ばかり。どれもこれも私のシュミにヒットするんですよねぇ〜。その辺りでウロウロキョロキョロしているのが楽しくってたまりません。


昨日のエントリにある「帰って来たヨッパライ」の映画ですが、こぼれ話が載ってました。
この映画、上映当時は「本作では冒頭のシーンが途中もう一度繰り返されますが、これは芸術的意図であり映写事故ではありません」という注意書きがわざわざ付いたのだそうです。これがいかに興ざめだったか、という話。
「手品のタネを事前に教わるようなもの」と著者(安田謙一)も書いていましたが、まさにいらんことだね。
それと、一連のあの拳銃をこめかみに突きつけるポーズおよびラストシーン近くのベトナム戦争を描いたらしき壁画風のイラストには、大きなモチーフがあったのだと初めて理解しました。
モチーフとなったのは「南ベトナムの国家警察長官によるベトコンの路上処刑」などと呼ばれる一枚の写真です。
ごめん、これ正式名称がわかりません。怖くて画像検索の先に進んで調べられないの。どんな画像かご覧になりたい方は「ベトコン」でググって画像検索してみてください。たぶん2番目に出てくる画像がそれです。
とにかく、ベトナム戦争時の有名な写真のようです。
私は無教養ゆえに今まで全然この写真のことを知らなかったのですが、とにかく衝撃的な一枚。
この衝撃が、この作品の一番のメッセージなのかもしれません。冒頭とラストにそのモチーフを使ったと思われるシークエンスが出てくるわけだし。
でもそれってフォークルの面々には荷が重かったんじゃないかなぁ?と、ちょっとだけ大島渚(いや、足立正生あたりか)を責めたくなったりもしちゃうなぁ。


付録CDは音質がかなり悪いです。でもアマチュアミュージシャンの解散ライブだと思えばこんなものなのか。
解散したあとに記念で録音した曲が大ヒット曲になっちゃうなんていうフォークルの滅茶苦茶なデビューの仕方も、この音源聴いてると「さもありなん」という気になってきます。