フォークルのマキシ

どういうわけか「パッチギ!」以来、フォークルが気になって気になって。すごく好きで。泣いちゃうくらい心にキちゃって。
ベスト盤を聴いては「イイ〜」と惚れ惚れしていたりしたのですが、そこには肝心の「イムジン河」が入っていないのです。
仕方ないから毎日日課のようにチューブの音源を繰り返し聴いていました。
ま、それでもよかったんだけど、やっぱりちゃんとした音源が欲しくなったのです。
で、買ったのがこのマキシ。

イムジン河

イムジン河


この曲が入ったアルバムもあるのだけれど、欲しかったのはこの曲1曲だけだったし、大好きな「悲しくてやりきれない」とのカップリングだったのでこれで十分だと思ったんですよ。
ところがアナタ。
届いて、わくわくして聴いたらば…

私の欲しかったのと違うじゃん!

ショック…。
これ、肝心の朝鮮語の歌詞の部分が無いんです。
リムジンガンマルグンムルン フロフロネリゴ〜♪って部分が無いの。
私は韓流も嫌いだし、朝鮮に対する思い入れも特に無いですよ。
この歌詞の意味だってわからないです。
でも、この曲にあの歌詞がないのはなんかイヤなんだな。
あの言語の音自体がすでに絶妙なる音楽なんだもの。あれが入ってるのが聴きたいのだもの。原詩がイイ、ってんじゃないですよ。日本語の歌詞の間にあれが入るからイイのです!
演奏もチューブで聴いていたのとは違う。なんか軽いんですよ。
とにかくこれじゃないんですよ、私の欲しかったのは。期待はずれだったのです。


ということで、このマキシシングル、せっかく買いましたが、相変わらずチューブの音源を聴く日々が続くでしょう。
でも、このチューブのバージョンでは朝鮮語部分はあるけど3番歌詞がないんです。
3番の歌詞も好きなんだよねぇ。
朝鮮語歌詞と3番歌詞が聴けるのは「パッチギ!」のシーンですが、こっちはたしか1番が聴けない。DVD確認してないからわからんけど、歌いだしぐずぐずしてたからそういう設定だったように思う。ドラマの中のシーンだから端折ってるし。
でもね、この「パッチギ!」バージョンでは、アレンジがめっちゃイイ!んです。
途中からショスタコーヴィチ風の(え?)小太鼓が入ったりするのがカッコいいの!ここでいつも涙腺がグッとキちゃうんですよ。
すごく気に入ってます。
このアレンジを歌だけのときにやると唐突で違和感あるけど、映画の物語の中で使うと生きてくるんですよね。


なんかさぁ…。
私、この映画、ある部分では大嫌いなんだけど、ピンポイントではめちゃめちゃ好きなんですよね。
かなり影響受けちゃった。
忘れられない何かがある。
それで、この映画見た日以来ずっと頭の中にその「何か」が回ってしまってる。「何か」が、こびりついて離れない。
その「何か」は、この歌にあるように思うんですよ。
民族歌ではなく、フォークルが(あの時の日本の青年が)歌うからこその、この歌に。
それは1968年の若者だったり空気だったり…結局そういうことなんだろうけれど。


1968年という年が好きで、とても興味があって、「初恋」という68年を描いた映画を見た。
そこで思いがけず小出くんに惚れこんで、小出くんつながりで今まで毛嫌いしてた「パッチギ!」をようやく見る気になり、そこでこの「イムジン河」に転んだ。この歌が作られたのもまた68年。もちろん映画の舞台も68年だった。
そして今、私は68年にオリコン史上初のミリオンセラーを記録したフォーク・クルセダーズを毎日聴いているのです。
私の周りには見えない糸があるような気がする。
その糸が時空を超えて私を68年という幻の中に自然に、かつ、必然的に連れて行ってくれてるような…ねぇ?
なんだか不思議な気分ですよ。
私は1968年に、なにを落としてきたのだろう?