裁判員制度、絶対反対

今日のヘッドラインにも関連ニュースが上がっておりましたが、政府は2009年5月の実施をめざして「裁判員制度」準備を着々と進めているところです。


私はこの制度に大反対です。
今までブログで政治的なことや思想信条に関してはあえて書かないようにしてきましたが、こればかりはどうしても書かざるをえません。
一人でも多くの人が声を上げないと、なしくずしに制度が施行されてしまうから切実です。反対の声が多ければ、施行されずに済む可能性もまだまだ残されているからです。
この悪法がどんなに私たち市民を苦しめるものかを、よくご存じない方たちに知って欲しいのです。


ある日突然くじ引きで当てられ、「あなたは裁判員として選ばれました」という通達が来ます。
この通達は強制力を伴います。徴用、ですよ。
決められた日時に、仕事を休んで時間を割いて裁判に参加しなければなりません。行かなければ罰金です。
出廷したら扱う事件の仔細な資料に目を通さなくてはなりません。聞きたくない話も聞かされ見たくない写真も否応無しに見せられます。
刑事事件が対象ですから残虐性の高い被害写真を見せられることでしょう。(今日のニュースはそれに関するものでした。精神的外傷を負うような経験をさせられるということだってあるってことです。)
そこで見せられ聞かされた酷い話に傷ついたとしても、守秘義務があるためにあとで誰かに話すこともできず、一生一人で抱え続けなければなりません。
それができなければこれまた罰則(6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金)が与えられます。
とんでもないことですよ!
そんな負担、耐えられるわけがない。

一方、我々「そこらの市民」に裁かれる被告の立場はどうでしょうか?
プロではない私たちは感情に流されます。被告の態度1つで好悪の感情は左右するでしょう。
人相が悪い、態度が悪いというだけで誤った判断を下してしまうかもしれません。もし冤罪だったらどうします?
我々「そこらの市民」が土足で入る司法の場はどうでしょうか?
今まで司法のプロとして勉強を重ねて力を尽くしてきたきた専門家の存在を否定し、綿々と続いた過去の判例の数々もシロウトの感情ひとつで覆えってしまうことだってある。それは司法への裏切りでもあります。
確かに司法には問題が山積みでしょうが、それは市民の口出しできる問題ではないはずです。
こんなことがまかりとおったら法治国家としての土台だって根底から崩れてしまうことでしょう。


私は他人を裁きたくない!
凄惨な事件の詳細も知りたくない!
犯罪者と関わりたくない!
守秘義務など負わされたくないし、他人の恨みも買いたくない!
何よりも自由な選択肢がそこにはないことが苦痛でたまりません。
指名されてしまったら裁判に行かざるをえない。
強制的な召集がかけられるのです。
「指名されたら拒否は出来ません」などと、政府はなんのためらいもなく言い放ちます。
この国はいったいどこにいこうとしているのでしょうか?こんな強制が平然とまかり通るとは!
断るには10万円以下の「過料(かりょう/あやまちりょう)」を払わなければいけません。
「あやまち」?
いったい何に対するあやまちだというのでしょうか?
この国の憲法は個人の思想信条の自由を認めているのではなかったですか?
私の思想信条では、どうしても他者を裁くことができません。
その思想信条を捨てよと強制的に命ぜられる苦痛は耐えがたい。
耐え難いのはそれだけじゃありません。
否応無しに死体写真などを見せられることも、その苦痛をを誰かに吐露することさえできないことも(ホットラインの相談者に電話相談したからっていったい何が解決できると?単なる税金の無駄遣いですよ!)、時間を割いて裁判所に出向くのも、裁判後の逆恨みを恐れて戦々恐々と過ごすのも、耐え難い。
何もかもがイヤです。
なんという国家の横暴!!全体主義への第一歩ですよ。
こんな制度、絶対に認めるわけにはいかない。
何が何でも反対です。


国家が強制力を有することでも、今まで粛々と耐えてきましたよ。
税金上がろうが年金無くなろうが払ってるじゃないですか。
でも、この制度だけは本当にいらない。
いらないことにこんな精神的苦痛を与えられるなんて耐えられません。
考えただけで夜眠れなくなるし、裏切られた気持ちでいっぱいで、この国を嫌いになりそうです。
強制連行される夢を見てうなされるほどです。今の時点ですでにめいっぱい苦痛を与えられているような気がします。
この強制力はやがて徴兵制に利用されるのだろうか?などと考えると、小さな男の子を持つ身としては怒りと恐ろしさに体が震えてきます。*1
このブログの文章が感情的で冷静さを欠いていることは誰が読んでもお解かりでしょう?
こんな人間が裁判員になって見も知らない他者を裁くのです。
そういうことなのですよ。その重大さを考えてみてください。


この制度がどんなにひどいものなのかを一人でも多くの人に知って欲しいと思います。
「べつに、いいんじゃない?」「市民は社会参加しなくては」みたいな軽い気持ちで認めて欲しくないのです。
あなたは知らない間に被害者になり、同時に加害者にもなってしまうのです。
人を裁くことは簡単なことではないということや、市民に裁かれる被告(それは犯罪者ばかりとは限りません)がもし自分だったらと考えてみてください。
そして司法がいかに崇高なものか、法治国家であることがいかに尊いか、憲法がどれだけ重要かも。
私の拙い文章ではどうにも伝わりませんので、詳しいことは下記サイトを参照ください。わかりやすいブログもたくさんあります。


裁判員制度はいらない!



(補)2cより。参考までに

<<裁判員制度の問題点>>

1.国民のほとんどは実施を望んでいない。
2.国民の新たな義務となり、時間的・精神的負担が大きい。
3.裁判員の日当や交通費、裁判所の事務手続など、全てが増税要因となる。
4.裁判員・原告・被告それぞれの個人情報管理に問題がある。
5.判決結果への報復や討論による怨恨など、身体の安全が明確に保障されていない。
6.守秘義務や判決への責任などが課せられ、重圧が生涯つきまとう。
7.国民の意にそぐわぬ拘束はそもそも重大な憲法違反である。
8.裁判期間が極端に短縮化され、まともな審議ができない。
9.裁判員の価値観により判決内容に差が出て公平な裁判とならない。
10.一審のみの形式的な参加であり、重大事件の審議としては無意味に近い。
11.現行制度で特に大きな破綻がなく、むしろ司法の機能としては低下する。
12.諸外国の影響を受けたいわゆる猿マネ制度であり、日本人の国民性に全く合致しない。

*1:戦前、戦時中の赤紙召集令状)との共通点として、権力機関による強制徴用(呼出)、不適格事由(免除)、罰金(過料)、市町村による名簿作成、旅費支給などがある。軍事的紛争と法的紛争の違いはあるものの、人命などに関わる重大な紛争の当事者を時に死に追いやる行為への強制参加という点、良心的兵役拒否にあたる制度が無い点も共通している。司法制度改革推進本部の資料にも裁判員制度を徴兵制に例える意見がある。(Wikiより)