映画ドラえもん「のび太と緑の巨人伝」

ドラえもんの映画には娘との思い出がたっぷりとあります。
幼稚園の年中さんのときに一緒に行って以来、小学校5年生まで(上映自体が無い年もありましたが、それ以外は)毎年、二人で観に行きました。
娘はドラえもんが大好きで、映画も必ず前売り券を買って封切り日を指折り数えて待っていたのですが、12歳の春、「もう、来年からはドラえもん映画はいいや。」との言葉が。
なんだかそのときは、過ぎ行く季節をしみじみと想い、「ああ子供ってこうして大人になっていくんだな」と、寂しく思ったものです。
翌年、いつも娘と行っていたその映画館(市街地にある一番大きな映画館だった)も潰れて閉鎖してしまい、幼かった娘と私の「ドラえもん」の思い出も遠くセピアなものになってゆくように感じておりました。


が。
そうです!
我が家に再び「ドラえもん」の季節が巡り来たのです。
嬉しいことに思ったよりずっと早く、今度はボクちゃんがドラえもんに夢中になったのだ!
しかもボクちゃんはさらに輪をかけたのめりこみぶり。暇さえあればドラえもんの漫画を読んでいる(3歳になってまだ半年もたっていないけれど、スラスラ読めるから驚異)。ベッドに行く時には必ずドラえもん漫画を抱えているほど。TVアニメも欠かさない。
もちろんTVでイヤというほど宣伝されている映画に行きたくてたまらないわけです。映画版原作漫画までさっそく買わされ、すでに何度も読んでるし。
でもまだ映画は早いんじゃないか?ってのが正直な気持ちでした。
だって2時間ちかくあるからね。物語も複雑だし、映画館は暗いしさ。3歳の子にはちょっとムリじゃん?って。
けれど「映画はTVと違って長いんだよ?ずっと見ていられるの?ホントに大丈夫?」と何度も念を押したものの、「大丈夫!絶対行きたい!」というので、途中で飽きるのも覚悟の上、行くことにしたのです。(これで「映画ってつまらない」とか思われたら逆効果でイヤだなぁと内心思いながら)


今度は街の古い映画館ではなく、郊外のシネコンです。
快適で綺麗なシート。宇宙空間みたいなロビー。チュロスの甘い匂いが漂っている。
暗闇も怖く感じさせない雰囲気は、映画館初体験のボクちゃんをワクワクさせているようでした。そしてその高揚感は映画が終わるまで続いたのです。
ビックリしたことに、こんな小さな子が2時間飽きずに最後まで目を輝かせ、食い入るように映画に没頭していたのです。
時折大声で笑ったり悲鳴を上げたりしながら、ポップコーンを食べるのも忘れ、それはそれは夢中で!
なんか映画より何よりそれ見て感動しちゃいましたよ。ウルウルしてしまった。
子供と一緒に見に行く映画は独特の感慨があります。その、うきうきとしてじんわりと嬉しいイトオシイ感覚ってのを、久しぶりに思い出しました。
ああ、娘もこうして目を輝かせて見ていたっけ…と思ったら、なんだかもう感無量で。
いつかボクちゃんも「もう、ドラえもんはいいや」って言うのかな?
そしたら今度こそもう立ち直れないくらい寂しいかも…なんてことを考えて今からメソメソしたり。
でも、ボクちゃんとの「ドラえもん」は、まだ始まったばかりですからね。これから7〜8年間の間は、また目いっぱい楽しめる!


って、映画の感想いっこも書いていませんが(汗)。
映画は、まぁ、子供のためのものですから。いいんですよ、あれで。
ボクちゃんは夢中になって見ていました。だもん、大成功ってことでしょう。
今回のメインキャラクター・キー坊はとんでもなく可愛らしかったです。
キャラ造形がね、素晴らしかった。パンフレットに、キー坊のキャラ造形が確定するまでのプロセスが載っていましたが、最終的にとてつもなくイイものになったなぁ〜という気がします。本当に可愛らしい。声も良かった!(小さな男の子が担当していたのね)
最後の、靴が片方だけ落ちてくるシーンでは涙腺が決壊しました。
これって、子供が成長し自分の道を進むために親の元を離れてゆく、という状況をなぞったシーンであるわけです。
子供が独り立ちしてゆくのってとても幸せで素晴らしいことなのに、せつなくてせつなくて涙が出てしまう。
ダメだな…子離れできない親になりそうだ私。



ああ、本当に楽しかった。
またいこうね。