「アナザー・カントリー」

アナザー・カントリー [DVD]

アナザー・カントリー [DVD]

  • 発売日: 2004/11/25
  • メディア: DVD


これ、ほんっとにどうでもいいような内容の映画だったんですが、ひたすらに、ただただ、コリンがステキでした!!!!



とにかく役柄がアタシのツボ直撃。
パブリックスクールに在籍してるってのにコミュニストで、1人異端的な存在なんですよ。いっつも本ばっかり読んでる。
異端だけど信望厚く、正義に燃え、勉強家で真面目なの。弁も立つ。ちょっと余裕がなくてイラつきがちなのがたまにキズですが、そんなところも真っ直ぐな青年ぽくて実にイイのです。
たとえ誰が演じても好きになっちゃいそうなキャラです。
戦前の主義者の世界とかって、昔からすごい魅力感じちゃうんですよ私。ヨワイの。
理想に燃える反体制の活動家というものはロマンティックです。
それを若くて可愛らしい(そのくせどっかすでにオッサン臭くもある)コリンが演じてんですから嬉しい。
まぁ、お坊ちゃん学校の中でコミュニスト気取ってるだけではたかが知れてるんですけどね…でも、このコは卒業後主義者としてスペイン内乱の活動に加わって22歳の若さで亡くなってるんですよ。悲しいことですがスジガネ入りでした。


ところで、これ↓夜中にガウン姿で読書に励む勤勉なコリン君(うわー、めちゃめちゃツボ!)ですが…誰かに似てると思いませんか?



「思いませんか?」って聞くのもヘンですけど(笑)、アタシはこのビジュアルから、あるヒトを思い出しちゃったんですよ。
このヒトです↓



ミーチャ!!
ドミトリー・ショスタコーヴィチです。愛しいミーチャですよ。
わかってます!そこのアナタ、「似てねーよ」と叫ばなくてもダイジョブよ。単なるアタシの妄想ですって。
ミーチャは革命を夢見るコミュニストではありませんでしたけど(コミュニズムの世界で自由を夢見ていたであろう人ですが)、なーんか横顔の雰囲気がほのかに似てて、思わず嬉しかったりなんかもしたのでした(^^;;。


コリン君はいついかなるときもレーニン像と一緒です。
真夜中に隠れて「資本論」読む時も、机の上にはレーニンさん↓



真っ昼間に戸外で読書にふける時も、ベンチで一緒にいるのはレーニンさんです↓w



きっと夢の中までレーニンさんと一緒でしょう。
恋人は絶対、レーニンさんですね?
男を恋人に選ぶ親友に苦言を呈していましたが、アンタの偶像崇拝もどんだけ〜ってなもんです。
コリン君、青いです!青すぎます。
キュートだな!


俳優惚れをする場合、私はどうしたって最初は演じる役の魅力でもっていかれちゃうのです。
好みの顔だとか、そういうことではないんですよ。
実際、いろんな俳優を好きになってきましたが、「顔が好き」なんてのはごくわずかで、たいていは演じる役柄でうまく錯覚を覚えさせられハマってしまう。大事なのは演じる役の魅力なのです。
この「アナザー・カントリー」にしたって、もしコリンが主人公の方の役だったら、私の心に灯ったばかりの興味の炎も消えていたに違いないの。
だってこの主人公、ちっとも魅力のない嫌なヤツなんだもの。(舞台版ではコリンが主役の方の配役だったといいますからね、彼はどっちだって演じられたわけです)
でも、演じたのは主人公の親友。誠実で勤勉なステキな男の子だったので、アタシの胸の炎はさらに大きくなりました。
苦手な作品でしたが、観てよかったです。
実際、コリン以外ろくに見どころなかったですが。


苦手っても、べつに同性愛的なものが苦手なわけではないんですよ。
アタシもフジョシのはしくれなのでそれ自体は問題ない。てか、得意だったりもするんですけど、その描き方っていうか世界観みたいなものに、私なりのこだわりがあるんですよね。
同性愛を扱っててもJUNEっぽいノリ(いわゆる耽美)は大嫌いなんですよ。男だけの集団でそういうことがあるってのも嫌い。*1
耽美な男子校モノなんてダブルパンチは心底ニガテ。
オンナノコみたいな男の子を相手にするってのもイヤです。
この映画にはニガテ要素が多すぎました。
だから本当はうんざりしてるんです。
ぶっちゃけ、主人公を演じたルパート・エヴェレットのビジュアルからして全くダメなんですよ。
この映画での彼は絶大なる人気があったというから驚きです。どこがいいのか全然わからない(役のせいもあるけど)。個人的な嗜好の話なのでこれはもう仕方ありません。
でも、とにかくコリンがステキだったので、他の気に入らない部分は全て忘れることにしました。
そしてこの閉塞感に満ちたパブリックスクールの状態を眺めつつ、私はますますイエローサブマリン*2となりましたとさ。

*1:男だけの集団そのものはべつに嫌いじゃないですよ。そこでそういう行為が存在するのを女が妄想する、ってのがイヤ、ということ。私も女子高出身なので、同じように男にありえない妄想されるのがたまらなくイヤなので。

*2:「ブリジッドジョーンズの日記」続編で、ブリジットが妊娠したかも?って場面で、「息子が生まれたらイートン校に入れるのが夢なんだ」と語るダーシーに、「あんなファシストが通う学校には行かせない」とブリジットが反論し、それを受けたダーシーが「革新派の学校でイエロー・サブマリンを歌わせるのか?」と憮然として言い返す、というシーンがあるのです。私もブリジットの意見に全面賛成なんだよねー。伝統より愛と平和さ!という意味での「イエローサブマリン派」、ですw。ブリジットはすごくリベラルな考えの持ち主で、伝統を重んじる階級社会で生きてるダーシーとはこういう価値観の相違があるんですよね。この二人の心配なところはそこなんですが、今後うまくやれるんでしょうか?ま、ダーシーがしぶしぶ伝統の殻を脱ぎ捨ててゆくような気がしますけどねw