秋の日の窓辺に似合う

「シャンドライの恋」でデビシュ演じる主人公のピアニスト、キンスキーが弾いていた曲にモーツアルトの「幻想曲ニ短調 K.397」があるのですが、それがどうしても聴きたくなりました。
探したんですけど家にはなかったので、図書館で借りてきた。

プレイズ・アンコール

プレイズ・アンコール


オピッツのアルバム聴いたのは初めてです。
これがまた、思いがけず良いアルバムでした。
シロウトさんカモーンみたいな、クセのないキャッチーな名曲集ですが、もれなく楽しめます。
シマノフスキの「練習曲 変ロ短調 Op.4-3」も、いいなぁ〜。スキです。


モツの幻想曲ニ短調って、未完だったんですね。
なんだか落ちかかった枯れ葉を思い起こさせるような儚い曲なんですけど、未完と聞いて、そのイメージがさらに強くなりました。
最後の〆がちょっと霊性に欠ける気がするのは、そこだけ後年の付け足しと知ったゆえか?
で、聴きながらやはりキンスキーを想います。
未完の男の未完の恋を、未完な私が未完の原稿を前に頬杖をつきながら、想うわけです。
秋の日はせつないねぇ。
もちろん一番せつないのは自分の原稿がいつまでも未完なことですよ。ロマンティックとはほど遠い…


ふと思いましたが、この映画でキンスキーが、朝、起き抜けにガウンをまとうシーンが好きです。
温度と匂いが感じられるの。柔らかいいい匂い。ウールとカモミールとカビ臭い埃の混じったような。
この冬は私もガウン買おう!とひそかに計画してます。
こちら↓キンスキーのガウン姿。


ガウンの模様はペイズリーかなぁ?植物柄かしらん?この色は私の好きな色ですよ。
長身のシューリスの膝下まである長い緞帳のようなガウンで、とても暖かそうです。
この中に包まれたい…とか思ってしまうようなシロモノさ。
ちなみにこの下にはオレンジ色のパジャマ着てます、キンスキー。