「ブルーム」

ブルーム [VHS]

ブルーム [VHS]

  • 発売日: 1993/09/03
  • メディア: VHS


シューリスの長編デビュー作品。1988年製作。
不況下のイギリス北部の街ランカシャーで、日々をやりすごす若者たちの、自分探しのような、ロードムービーのような、青春モノ。
小さな町に閉塞感を覚え飛び出しては見たものの、永遠に自由な場所なんてさがせるわけもなく、次第に夢のような時間は過ぎてゆく。という話。
いまいちパッとしない。
ちょっとしたB級青春ムービーってところか。面白い映画ではない…よなぁ。
でも、なぜか心に残るシーンはある。印象的な風景も。
うまく言えないけど、「とことんイギリスの青春」って感じがした。

自由を求める若者たちの話なのに、なぜか弾けきれてなくって、最初から最後まで同じ空の下で悪あがきをしているみたいなね。別天地に行けそうで行けない、もどかしい感覚が、雲間が途切れない空を眺めているような独特の空気に包まれておりますね。
妙に理屈っぽかったり、エキセントリックだったりってのも、ノー天気なアメリカン青春ストーリーとはかなり趣が違う。
だいたい、彼らの乗るコルベットが画面に似合わないこと似合わないこと!
これ、イギリスを走るクルマじゃないよ(同じように日本で走るクルマでもないわけだが)。
めっちゃカッコいいクルマなのに、走る場所が違うとすごい場違い感に包まれる。痛ましささえ覚えるね。
すでにこのコルベットが「自由の天地などには行けない」と教えてくれているようですよ。
同じクルマがサンタフェあたりを走っててごらんよ。ウソでも自由の天地がパラダイスの幻影の如く見えるはずだぞ。


風俗やファッションや音楽や若者のノリはどこまでも80年代風。
女の子の化粧も濃い!肩パッド入りの服着てるし、揃いも揃って髪を立ててる。
男の子はズボン丈が短いスーツに、細いネクタイ、長いコート。これでセカンドバッグを小脇に抱えたら、80年代の新宿かと思うくらいだ。
あの頃青春してた私には、なんだか懐かしいけれどすごく苦々しいキモチにもなる。だってダサいんだも〜ん(汗)。
こういうの見ると、自分はシューリスと同年代なんだなぁとあらためて思うね。
こんなみっともない時代を経て、我らは今に至るのだな、と。思えばセンスがよくなったものだ(これでも!)。


映画的にはショボイのですが、これ、クライヴ・オーウェンとデビシュのファンにはたまらないと思います。二人ともにデビュー作です(デビシュはこれ以前に短編には出てるけど)
とにかく二人が圧倒的に若くって可愛い!
私的にはこのシューリスはツボじゃないんですけどね。
子どもすぎちゃって、なんだかちっともついてゆけない。単なるガキンチョ。
ちょっとおバカさんなキャラだし。しゃべり方もいつもと違っておバカモードだ。トホホ。
ま、見たくれが可愛いからいいのだけど、でも萌えない(汗)



ビジュアルは真っ赤な髪のニンジン君です。ムキャー!
細くて長い手足と白い肌がマンガみたいに可愛いです。
で、つきあってる女の子が百貫デブなのw
樽みたいな女の子とひょろ長い棒切れのようなデビシュの組み合わせもマンガみたい。
デビシュの演技もエキセントリックでマンガじみてるし、顔芸はそのままマンガだ。
色気が無さすぎてちょいと惜しい。この頃から「演技が過剰」だな(爆)。