「シュルレアリスムと美術」展


宇都宮美術館の企画展に行ってきました。
今日が初日。
これは開催前から楽しみだったのです!好きな分野ですからね〜。

この美術館のウリでもあるマグリットの「大家族」を始めとして、今回の展覧会ではかなり所蔵作品が活躍していました。
やはりここは20世紀の新興美術に強いんだなーと、しみじみ嬉しくなりましたよ。
ダダ、シュルレアリスム構成主義あたりの芸術運動は私がいちばん興味のある部分なんですが、その面白さってのはたぶん、平面的な絵画の領域を飛び出して、いろんなものと連動してゆくところにあると思います。
特に文学と関わりが深いので、楽しいんですよね。
ダダもシュルレアリスムも運動のはじまりは文芸活動から発生しているし、構成主義は政治的な思想が大きく関わってる。
私はどうも、言葉で分析でき論争でき解釈できるものが好きなようです。
って、それはものすごく美術的なものからは遠いと思うんだけど、このあたりの現代美術は本質に言葉でこねくり回す楽しみ方を許してくれてる部分があって、そこに安心して遊べるんですよね。
なんというか、鑑賞する側の自由度が高い。


印象に残ったのは、ジョルジオ・デ・キリコの「福音書的な静物」、ダリの「皿のない二つの目玉焼きを背に乗せ、ポルトガルパンのかけらを犯そうとしている平凡なフランスパン」(←これは題名がw)、クルト・シュヴィタースのアサンブラージュ、マン・レイの造形、マグリットの一連の作品、ですかね。ミロも良かったなぁ。
キリコは1点しかなかったのですが、それでもすごくキリコの世界を見せてくれてました。
キリコは「影」の使い方が最高ですね。
芸術運動に関する興味としては、クルト・シュヴィッタースが来てたのが嬉しかった!
シュヴィッタース村山知義に似てて好きです。
なんというか、絵画的な力量はよくわかりませんけど、シュヴィッタースには芸術運動家としてとても前衛であったというカッコよさみたいのがあります。
よく比較されますけど、彼の「メルツ」は「マヴォ」っぽいし。


マグリットはいつ見ても惹かれますね〜。
マグリットの絵ってのは、なんというか「昼寝」みたいな感じ。
海辺のコテージで昼寝して、目が醒めた時のぼんやりした感覚で見る蜃気楼。
夢かうつつかわからない、不思議な世界。
いつか「光の帝国」が観たいよー。