今週読んだ本


夜中に読んでてベッドの中で大爆笑!眠れなくなっちゃって、起き出して続きを読みました。可笑しいひ〜。
なんだか、この本のためのこじつけたような論点もあるけど、とにかく文章の可笑しさがハンパない。巧い。
で、最後に胸がキューっと切なくなるような話をする構成があざとい(笑)。でも、よくわかる。
とても楽しい1冊でした。
この人の前著「まれに見るバカ」は題名ほど面白くなかったので、これもそれほど期待していたわけではなかったんですけど、ものすっごいパワーアップしてますね。てか、ここまで徹底的にオチャラケ文章を書いた方が、この人の良さが生きるのかもしれません。
それにしても有名人の顔をこれだけあーだこーだ言って、ダイジョブなんだろか…苦情、来ないのかな。苦情なんか言える雰囲気でもないんですけどねw(それをネタにまたなんか言いそうだもんね)


私はコピーライターやってたので、キャッチーな見出しを作る、ってことにかけてはちょっとした努力をしてきたクチですが、その作業はとても楽しく、こういった分析を読むのも好きです。
要するに「どうしたら、人の気持ちに入り込める一文を投げかけられるか?」ということですが、それを考えるのは果てしなく楽しいんですよ。
文字による効果はとんでもなく奥が深い。
この本は具体例とともにそれのどこが秀逸か、という解説が的確で、しかも可笑しい文章で読ませてくれます。
楽しく読めた上に勉強になるという便利なものです。
それと、上記の勢古さんにしろ、このブルボンさん(?)にしろ、自分と同じ世界の言語でモノを語ってくれているので、とてもリラックスして読めますね。言っていることはきちんとしているんですが、表現がネット的パロール、とでもいうようなものなので。


いわゆる「韓流」にハマって追っかけ人生に突入してしまった中年女性たちの実態、その思い、を(アンケート調査などで)拾いながら、社会現象としてそれを分析してゆく…という、硬いんだかヤワいんだかわからない内容の本です。
私は単なる野次馬根性で、追っかけヲバの姿を確認したかっただけで読みました。
確認…って、えっとー、中華明星迷の世界と、どう違うのかな?ということで。
中華明星迷の方がずっと前から存在するのに、なぜ「冬ソナ」のような現象が起こらなかったのか?どこが違うのか?
どうやら「冬ソナ」というドラマ自体に違いがあるようなんですね。
知らなかった。
この違いをヨンさんとレスリの違いだと思っていた私は浅はかでした。たはは。
私は「冬ソナ」を観た事がないし、「韓流」には全く興味がないんですが、そのファンたちの姿ってのは恐ろしいほどよく知っている世界のものでしたね。
中華明星迷とどこも変わらない。中華迷の間では、「韓流ブーム以降、中華迷の世界も過激化して昔とは様子が違うようになった」という人もいるけれど、本質は同じように思います。ただ、韓流ブームが行動の常識ラインを力ずくで下げただけのことだと思う。
いずこも同じ秋の夕暮れ。


ファンでいることはステキなことです。
幾つになっても恋は嬉しいし、その対象が芸能人だなんて、可愛いではありませんか。
パート先の上司と不倫してるんじゃなし、ホストに入れあげているのでもない、ただドラマの主人公に恋してるだけなんて、乙女以外の何者でもないじゃないですか。つましすぎて涙が出そうです。
でも、「オッカケ」はダメだね。みっともない。どうしても好きになれない。
空港に出迎えに行ったり、ホテルで出待ちするなんてのは10代…せめて20代前半までの子のやることだと思いますね、私は。
昔、張震嶽が「人気出てきたから、オッカケとかいるでしょ?」とインタビューされた時、
「俺らのファンは年齢のいった奴らが多いから追っかけなんかしない。みんな19とか20くらいだからね。ライブが終わったらみんなすぐに帰るよ。そのトシになったら自分のことがあるでしょ?芸能人追っかけてたらヘンだよ。」と言っていて、私はショックで呆然としたものでした。
当時、私は33くらいでしたからね(汗)。
いや、「追っかけ」はしてなかったけどさ…でもファンレターがんがん出してたし、ファンサイト作ったりしてたんで、「あ、ヤバイ」と思ったね(笑)。年齢言えないぞ、と。ってよか、自重しよう、と。
自分の姿は見えないけれど、相手はこっちを冷静に見ているんですよ。ヲバ追っかけを喜んでいるとは思えない。
ヲバはダメで若けりゃいい、ってのはヲバが若くないから(=醜いから)ダメということではないんですよ。ヲバなのにそんなことしてる精神性に問題があるということです。美醜の問題以上に、それが大きい。
「40だけど、キレイにしてるしー」というヤツも中にはいるでしょうが、関係ない。もはやあなたはそんなことするトシじゃない。
私も時々過剰なファン心理をもっちゃうので、自省を込めて、そう思いますね。
そもそも「オッカケ」だの「声援」だの「電飾ボード」だのを「情熱的」ととらえている人がいるけど、それ全然違いますからね、悪いけど。
だから明星迷は幼稚だと言われる。
情熱は心の問題。誰も巻き込まない独りだけの世界だからこそ甘美なんじゃない?
って、つい熱くなってしまったw
ちょっとこんなことを言いたくなるような騒動を某所で目にしたせいかな?(爆)


この著者は優しいのか実体をよう知らんのかわかりませんが、ヲバ迷たちを擁護しています。が、やっぱりファンはファンですよ。たいしたもんじゃない。そこから「社会」は見えないと思う。しょせんヲタの世界で、しかも、あまり文化的ではないと思います。
でも、著者が学術にかこつけてヲバ迷たちの姿を知りたかった気持ちは、とてもよくわかります。私も知りたいもの。
昔も今も、迷の話を聞くのは楽しい。ヒトが何かに忘我でハマっているのはハタで野次馬してても楽しいものなのです。
それは「バカを眺める」楽しさです。そして自分も知ってる「バカの世界」を共有する楽しさでもあるね。


美智子皇后と雅子妃 (文春新書)

美智子皇后と雅子妃 (文春新書)


皇室ネタが大好きな私(皇后の大ファン)は、こういった新書系の皇室論は全て生ぬるく、面白味に欠けものばかりだったので、これも全く期待しないで読んだのですが、意外や意外。面白かったです。
世代論になっているところが新しい切り口ですね。それと、親から子への影響がどう現れているか…とか。
ただ、皇室のことゆえにざっくりバッサリとはいかないようで…仕方がないですが、ちょっと惜しい。このヒトだったらもうちょっときわどいことを書きそうに思っていたので。
福田和也ってこんなに優しい人だったっけか?」という読後感で、ちょっとこの著者に対しての見方が変わりましたね(良い方に)。

1968 (知の攻略 思想読本)

1968 (知の攻略 思想読本)

  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: 単行本

1968年というのは世界的にエポックな年です。こんな感じで
この時代の風俗を(主に全共闘のことを)知りたくて読んだ本の一つ。
思想体系のムック本なので、オムニバスです。
いろんな人の文章で多方面の事象について書かれているので、浅く全体像がつかめるような(この時代の空気感が伝わるような)仕様になってますが、それでも難しいね。
言ってる言葉がすでに難しいんだよ。全共闘用語は少しは覚えたはずなんですけど、言葉だけ覚えても応用が利かないから読んでて意味がわからなくなる。私たちは議論をして過ごした学生ではなかったので(バブルの真っ只中、ブランド物を着てプールバー行ってた世代の人間だから)頭が悪い。めちゃくちゃバカだ。ああ困った(汗)。
それでも私は高校生の頃から高野悦子とか奥浩平を読んで影響を受けていたし(「影響」はノートに駄文を書いて過ごす、というカタチでしか発露しなかったが)、バブリーな学生とはちょっと違ってもうちょっとセンチメンタルだったはずなんですけどね。
でも、バカなことには変わりない。あーあ。
バブルって、ホントにかげもカタチも無いものしか産まなかったんじゃまいか。と、時代のせいにしてみるテスト。