私の心にチカラをくれる一つの風景

昨夜は「キャスト・アウェイ」を観ました。DVDで。
これね、全体のストーリーとか延々と続く無人島のシーンなどはそんなに好きでもないんですが、時々無性に観たくなるんですよ。
それは主に
「平野に伸びるどこまでも続く道が見たい」
FedExの輸送システムが見たい」
という2つの理由によります。
私は、この2つの風景が、とんでもなく好きなんです。見ているだけでシアワセな気持ちになれるの。
えーと要するに私にとってこの映画は、「風景萌え」の映画なのね。
公開当初、「FedExの宣伝映画」と悪口言われていましたが、私はその悪口を言われる部分にこの映画の魅力を見ているわけで。ま、邪道ですよね。申しわけない(汗)。


こちら、冒頭のシーンで出てくる風景です。冬枯れの平原にFedExのトラックが走ってくる。

そしてこちらはラストシーンでの同じ道。

さきほどの冬枯れとは打って変わって、平原には緑の草が揺れている。
全てを失って、でもものすごく成長を遂げた主人公が、「さて、これからどうしようか?」と、佇むシーン。
彼はこれからどこにだって行ける。
あらゆる可能性が彼にはあって…限りなく自由で。
ぽっかーんと、なんにもない場所で、気持ちの良い風に吹かれている主人公の、ちょっと戸惑った、でもちょっとワクワクしている表情が大好きです。


私にとって、「平野に伸びるどこまでも続く道」ってのは、最も気に入っていて、最も心安らぐ「マザーランド」の光景です。
生まれた土地の空気に近いのか、前世いた場所の景色がこれなのか、よくわからないけれど。*1
そして、そこを走る輸送トラックというのは、とても夢のある存在なのです。
昼夜問わず世界中の街角で物流が動いていることを思うとき、私はとても安心します。
この大地が人の体だとしたら、道は血管で、トラックは血液。元気よく血液が流れる体は、健康だものね。
FedExというのは、そういう輸送システムをとても前向きに開発している会社だと思います。そして世界中をつないでいる。
FedExのロゴをよく見てください。隠し絵の如く、ある図形が見えてくるでしょう?

Exの間に隠れた白い矢印。
この、「この先へ!」というポジティブな矢印が、この会社に対する私のイメージなんです。って、べた褒めですけど、関係者じゃないですよ(^^;;。ファンなだけ。


私は気持ちのどこかでずっとトラックの運転手というのに憧れています。
輸送トラックを運転しながら、ドライブインで買ったチーズバーガーを齧り、ラジオ放送を聴き、夜明けを眺め、夕暮れを眺め、それでも同じような景色の続く道を、軌道を逸せず、淡々と、決まりきったように走る毎日を過ごせたら素敵かも知れない…てなことを思う。
子どもっぽい、夢想に過ぎませんが。


ちなみに、別の意味でこちらの風景も大好きでス。

FedEx」に「トム・ハンクス」に「クレムリン」ですよ。三題噺みたいな揃い方です!萌え。

キャスト・アウェイ [DVD]

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  • 発売日: 2006/04/01
  • メディア: DVD

*1:ただ、日本の平原はどうしたって遠くに山が見えたりするんですよね。それは私の好きな景色とはちょっと違うの。山は好きじゃない。私の実際のマザーランドである北関東は、南を向けば山が無い平原なんですよね。その方向から見た景色が(それは東京へと向いている視線を持つことでもあるわけで)私の心に与えた印象というのがベースにあるのは間違いないでしょう。そのイメージに上昇志向みたいなもの(といって悪ければポジティブな感覚)が含まれているのも、この土地で暮らした人間にしかわからないかもしれません。