日テレ・モーツアルト特番の空虚

日テレで放送された「モーツァルト生誕250年目の真実」という番組を見ました。
内容はありがちな天才礼賛モノだろうなぁと予想できるし、だったらべつに見たくもないなぁと思いながらも、金聖響が出演するってだけでヘラヘラしながら見たさ。
見て、後悔。てか、ちょっと腹が立った。

なんだ、これ。

この番組作った人って、モーツアルトのこと愛してないですね?
案の定「モーツアルトがいかに天才か」ってのを、ありがちなアプローチで検証したり、その人生をなぞるだけの番組だったわけですが…まぁ、もういいや。それは我慢するよ。そういう話を知りたい人もいるんだろうからね。私も知りたいよ。それはそれで。
でもさ、モーツアルトの本質を知るには何が一番「必要」だと思います??音楽でしょう?
ところがこの番組には見事に音楽がなかった。音楽を軽視してる姿勢ばかりが目立っていた。
モーツアルトって、音楽家なんですよ?
音楽をきちんと聴かずに何がわかるの?全てがそこにあるというのに!
天才、天才、って連呼したところで「天才」ってのは業績でもなんでもないですからね。
そうやってモーツアルトの伝記だけ読んで「はー。すごいなぁ」なんて、先立つもの(音楽そのものだよ)もなしによく言うよ。
とにかく1曲もまともに曲を聴かせることなく番組終わるとは思いませんでしたよ。
出てきたモーツアルトの曲は見事に分断され、ちりばめられ、どうでもいいBGMにされていただけ。
雰囲気だけあればいいのか?キャッチーであればいいのか?
BGMとして使うたってもう少し使いようがあると思うんですよ。リスペクトが垣間見られるようなさ。こんな垂れ流しじゃなくね。


それにしてもさー、キムさんゲストで来てるんだし、当然、演奏だってあるんだなーと期待しますでしょう?(番組の予告でオケ演奏シーンがあったもん、期待するさ)
確かに振りましたけどね。交響曲第31番「パリ」と、ピアノ協奏曲第27番の3楽章を。でもどちらもものの数分ですよ。
はじまったな、と思ったらすぐ画面が切り替わり、解説のBGMとされてしまったのには驚きましたよ。それもすぐにかき消されーの。あ然。
ひでー。
それなら最初からやるなっつの。演奏入れる意味ナシじゃんよ。こんな瞬時にブッちぎられる指揮者、初めて見たわ。モツもキムさんも軽く見られたものです。
えーえーそうですよ。私はキムさんの演奏が見られなかったからヒネてるだけですよ、どうせ。