くわしっく…かどうかビミョーな音楽ガイド

くわしっく名曲ガイド

くわしっく名曲ガイド


今やノダメの音楽監修、ミルヒーの指揮指導などに取り組んでおられますモギーの最新刊。買っちゃいましたよ勢いで。って、なんだかんだでモギー本は買ってるなー。ファンかな俺(不安)。
内容は、ちょっとビミョーでした。
音楽ガイドっていうのは要するに曲名だけがズラズラと(たとえどんな解説があっても、アプローチが変わってても、ひたすらズラズラと)並んでいる様相を呈するので、結局すごくストレスたまるんですよね。
そこにクリックボタンがあって押せばすぐに音楽が聴こえてくるならいいんだけど、そうじゃないわけで。言葉の羅列だ。

書いてるほうは書いてる曲名が曲となって頭に流れているわけですが、読んでるほうは(こんなの読むの初心者に決まってるんだから)まずそこに書いてある曲名は文字でしかないんだから。
提供する側とそれを受け取る側のあいだに行き来するものが同じではないわけ。
ま、ただの名盤紹介にしないようにといろんな工夫を凝らしてるのはわかるし、そこは評価できると思うけど「だからなに?感」が漂うのもまた事実。


この中に、「星座と血液型別、あなたの運命の作曲家はこの人だ!」というコーナーがあるんですが、これねぇ、私、読む前からなんとなーく自分がどの作曲家を割り当てられているのか予想ついちゃいましたよ。で、ホントにその通りだったのでビックリ!と同時に脱力。
ちなみに私は獅子座のO型。
なんというか…12星座中で一番堂々としてそうな(笑)イメージなんですよね。ホントは全然そんなことないんだけど、一般的なイメージとしてはさ。だって百獣の王ライオンでしかもワダアキコだのビートタケシと同じO型だもん。

で、案の定、ワタシの運命の作曲家はベトベンでしたよ。


ベタすぎるっっ!


いや、いいんですよもちろん。光栄ですよ。ベトベン、すごく好きですし。
でも、やっぱすっごいベタだよね。お決まりだ。
ちなみにショスタコーヴィチはというと、これまた予想通りのさそり座のB型。

ベタここに極まれリ


一つ一つの星座の特性と、作曲家の持つイメージの組み合わせは、ホントにきちんと考えられてると思うんですよ。(だからこそ、自分の担当がベトベンになってるんだろうなと最初から予想できたわけですし。)
でも、個人の音楽シュミってのはそう一筋縄ではいかんわな、というのが当然ながらあるわね。あたりまえだけどさ。
てか、これはお遊びだとわかってるけど、それでも全くクラシック初心者で、何から聴いたらいいのか皆目わかりません!ヘルプ!というヒトがコレ読んだら、真剣に参考にしちゃうかもしれない。それはちょっとアレだなーと。


結局ね、王道ってのはないですよね。いろんなのを聴いていって自分の好みを見つけるしかない。道のり、遠いけども。
クラ迷初心者の身として言わせてもらえば、この道は決してラクではないです。とにかく時間がかかる。
だって、曲は膨大。しかも1曲1曲が長い、難解、覚えられない。なので繰り返し聴かなくちゃだ。演奏家も何人もいる。
とにかく聴いて聴いて聴き倒して、それでもやっとうっすら道が見えてくる程度という感じなんですよね。
でもそれこそが醍醐味。
焦ってはダメだと思う。すぐにステキな曲になんかめぐり合えない。
ていうか、そもそも誰かに「こんな時はコレ聴くといいよ」「アナタみたいなタイプの人にはコレがイイよ」みたいな勧め方されたものを聴いて、それでハマれる?ハマるってそんな他力本願じゃダメなんじゃん?


自分で一個一個宝物を見つけてく。
一個見つけたら俄然それが楽しくなるからこっちのもんです。どんどん深い森にハマってく。それ自体がすでに快感だったりするわけで。
自分で歩き出さなきゃ宝は見つからないよ、ってことで。
もし効率的なガイドが欲しいなら自分で萌え対象を見つけるのを先にしたらいいかもしれない。イケメン指揮者に惚れてみる、とか。エロいヴァイオリニストを追っかけてみる、とか。
なんだかんだでワタシもそのクチなので、その楽しさは保証しますw。


本の話に戻りますが。
これ、変わったところでハイドン(モギーが好きな作曲家らしい)の特集と、ドボルジャークの「新世界」解説、バッハの「マタイ受難曲」解説(あ、「くわしっくガイド」だそうですw)、などがあります。ピンポイントでこの2曲とハイドンというのは、私個人としてはもう100%守備圏外なんですけど、後学のために読んでおきます。
この本はガイドにしようと思わないで読む分には(読み物としては)手軽に楽しめていいと思いますよ。
でも、まぁ、いつもの身辺雑記風なエッセイのがいいね。
指導者っぽくなろうとしてるのかどうなのかしらんけど、そうでない方がモギーらしいと思う。