松が峰教会オルガンコンサート

地元のカソリック松が峰教会でのパイプオルガンコンサートへ行ってきました。
バロック音楽はめっちゃ苦手で、瞬時に拒否反応を起こしてしまう私ですが(爆)、お世話にもなってる教会への寄付のつもりもあったし、オーバーホールしたてだというパイプオルガンの音を聴いてみたかったので、足を運びました。


演目


第1部:D.ブクステフーデの世界
  前奏曲 ト短調 
  天にいますわれらの父よ
  第一旋法によるマニフィカト
  愚かな口は良き言葉を語る
  テ デウム ラウダムス
第2部:J.S.バッハの世界
  主なる神、われら汝を讃えん
  汝のうちに喜びあり
  平安と喜びもてわれは行く
  主なる神よ、いざ天国の扉を開きたまえ
  トッカータとフーガ ヘ長調
*アンコール:最愛のイエスよ、われらここに集いて


オルガニスト吉田恵
(2006年10月29日(日) カトリック松が峰教会聖堂 )


 
「ブクステフーデとバッハの世界」ですよ。
ブクステフーデ。初めて聴きました(てか、その名前を聞いたのも初めて(^^;;)。
案の定、私にはとても聴き所のわからない純正バロックでした。はうぅぅ(涙)。
午後3時からの開演でしたので、優しい秋の陽射しがゆるやかに窓から流れ込む中、ついついウトウトと…しそうでしたが、どうにか眠らずに最後まで聴きましたよ。
休憩を挟んでバッハでしたが、ブクステフーデを聴いた後のバッハは、ちょっとわかりやすくて、助かりました。
「主なる神、われら汝を讃えん」は、コラールなのですが、その歌の部分を演奏者の吉田さんの旦那さんであるドレスマン氏が担当しました。
いい声でした。
マイク、使ってたのかな?使ってなかったと思うのですが、すごく伸びが良い自然な声で、これにはグッと引き込まれましたね。
それと、さすがにトッカータとフーガは豪華です。とても壮麗でした。
吉田さんのプレトークで聞いたのですが、この曲はビバルディが大好きだったそうなんですよ。で、そのクライマックス部を「壮大な聖堂がガラガラと音を立てて崩れてゆくよう」だと評したということですが、聖堂が崩れるなんて縁起悪いんじゃなかろうか。いいのかビバルディ、そんな喩えで。


それにしても、バロックってホントに聴き所というものがわかりません(涙)。
こういう曲のどこに魅力を感じて夢中になるのかを、好きだという方にぜひ伺いたいと思うほどです。
が、わからないながらも堂に響く音に身を任せていると、いつのまにかなにか得体の知れない感覚にとらえられているのでした。
言葉では言い表しようがない、なんというか…別次元に身を置いてるような感覚。
ボーっとした、それでいて輪郭のハッキリした光の中にいるような。
こういう一種のトランス感が醍醐味なのかも?
なににせよ、教会堂で聴くバロックは独特でした。いずれ、もう少し理解が進めばもっと楽しめるんでしょうね。その日を気長に待ちたいと思います。

演奏会が終わって外に出たら、夕暮れ時であたりは薄暗く、教会堂の灯りは輝いているのに、空はポッカリと蒼く、昼の月が浮かび、小雨が降っている、という不思議な風景がそこにありました。
ちょうど、昼と夜が同時に存在するマグリットの絵画みたいなの。
そんな風景の中に佇み、パイプオルガンの音と中世の旋律が残る耳に、さわさわと降る小雨のゆらぎが心地良く聞こえて来るのは実に奇妙でした。
ヘンな感じ。ちょっと目眩がしそうな滅多にないヘンな感じ。
それがちょっと楽しかったですw


ちなみに、この松が峰教会は文化財指定されてもいる日本最大の大谷石建造物です。
ものすごく美しい聖堂なんですよ。
外観も荘厳ですが、内部の柱の配置や採光の按配なども絶妙で、ここで瞑想していると、ホントに神の近くにいるような気分になります。