ショス様特製、秋の日によく合うアンダンテ

買っちゃった♪
工藤庸介さんのショスタコーヴィチ全作品解読 (ユーラシア選書)



この本のいいところ(ある意味ではイヤなところ)は、この曲の演奏だったらこれですよ、っていう推薦盤が詳細に情熱をもって挙げられているところです。
どんなに言葉を尽くしても、曲を聴かなければ何もわからない世界ですから、「とにかくよりよい演奏で曲を聴いて欲しい」という作者の熱意と作曲者に対する愛が伝わります。やはりファンがやることは濃いよ〜。
超級ショスマニアの工藤さんの言うことには説得力あると思うし、実に推薦の文章が上手い!
なので、初心者ショスファンとしてはどれも聴いてみたくなってしまいます。CD欲しい!でもそんなにカネないよ〜(涙)という煩悶に陥ってしまうのが、「イヤなところ」です(笑)。
画像、隣に写っているのは図書館で何度も借りててもしかして迷惑かもしれない(?)な、名曲解説ライブラリーのショスタコ編です。
こちらの本のいいところは、楽譜を引用して細かく曲のポイントを解説している点です。
ま、アタシ程度の音楽素養しかない者にはちと難しすぎますが、曲の構成などよくわかるようになってますので、勉強になります。


今日の気分はショスタコーヴィチピアノ協奏曲第2番です。
私はこの第2楽章がとても好きです。
枯葉が舞う秋の街路に、少し翳った夕日が射している。
寂しいような…でも、幸せで、どこかロマンティックな、センチメンタルな雰囲気。
ショスタコーヴィチらしからぬショスタコーヴィチ
というか、案外こんな感じがショスタコーヴィチの本質かもしれない、と思ったり。
ショス様って奥が深いんですね…ますます惚れてしまいます。
ちなみにコレは息子のマキシム(当時モスクワ音楽院の学生だった)への献呈曲だそうです。マキシムが普段練習していた曲のピースがちりばめられているとか。
どうりで優しいと思ったら、パパの顔をもった曲なんですね(^-^)。
私の聴いているのはこちらで言及したCD(これ、めちゃくちゃお気に入りなんです)で、演奏はクリスティナ・オルティスがピアノを弾いてるものなんですが、工藤さんの本では同じオルティスでのアシュケナージ&ロイヤルフィル盤が推薦されてて、非常に魅力的な一文が添えられていたので、もう、もう!聴きたくて聴きたくてたまりませんっっ(涙)。きっと買ってしまう…うう。



ショスタコーヴィチの音楽を聴いていると、まるで
「生きるのだ。タイヘンだろうとも。芸術の傘に身を隠し、晴れる日を待って。」
と耳元で囁かれているような気分になります。
ショスタコーヴィチは、スターリニズムのツライ状況の中でも、狭い坑道を潜り抜けるようにして生きた。
時に隠れ、時に寝たフリをし、時に日和見、それでも内面に強い意志を湛えながら。
その姿は壮絶にカッコイイと思います。
思い悩んで自死した人より、生きることを選んだショス様だからこそのカッコよさです。
若い人たちの自殺という悲しいニュースが立て続けに報じられている昨今ですが、いじめられて思い悩んでいる子がいたら、あなたが生きる世界はほかにもたくさんある!ということを伝えたいです。世界の広さを。だから負けちゃダメだよ、と。神は自ら助けるものを助ける、んでスよ。
人をいじめている人間の小ささなんてムシケラ以下なんだから。なんとまぁ果てしなくつまらない存在であることか。


音楽は、目に見えない世界の広さを示してくれます。
誰かにいじめられて寂しい思いをしている子のところに、どうか音楽が届きますように。
スキますイッチでもこブクロでもアメリカンハイファイでもショスタコでも。
唇に歌を。
ノーライフノーミュージックですよ!(^-^)。