オラトリオ「森の歌」

本日買ったCD。
ショスタコーヴィチ:森の歌、交響曲第2番他/アシュケナージ@ロイヤルフィルハーモニーです。
この、デッカで出してるアシュケナージショスタコーヴィッチのシリーズは、ジャケに使われている絵が正しく構成主義を踏襲していて、とーても好きなんですが、どなたの作品なんだかちっともわからないので不満です。
たとえこのシリーズ用に無名のデザイナーがデザインしたものだとしても、誰が描いたかくらいは記しておいて欲しかったりするわ。


実は少し前から、ショスタコの「森の歌」が、すごく聴きたかったのです。
岩城宏之さんの青春私小説・その名も「森のうた」*1で、ラストシーンにこの曲が出てきてすごくステキな印象を残しているので、どんな曲か聴いてみたい、と思ったのが最初です。
その後、ショスタコーヴィチのことを知ろうと思って読んだ本などから、この曲は、反体制的態度を批判されたショスタコが、今度は思いっきり体制側の喜ぶ作品を作ってやろうじゃんか、とばかりに仕上げて大絶賛されたという国策賛美の大作(実質はもちろんそれだけでは終わらないわけだが)だと知り、ますます興味が湧きました。
最初は図書館で探していたのですが、禁帯出の札がかかっているものと、いつになっても貸し出し中のものの2枚しかなかったので、借りるのは諦めて自分で買うことにしました。
が。地元の新星堂へ行ったら、「森の歌」は、たまたま、この、アシュケナージ@ロイヤル・フィルハーモニー盤しかなかったんです。
ま、ここで普通のクラヲタだったら買うのに二の足踏むんでしょうな(笑)。*2私もちょっとだけ悩んだんですが、ボロ・ファンとしてはこれも修行か、と腹をくくってレジへと向かいました(自分、ホントにファンか?)。
家に帰って封をあけ、解説を読んだところ、こうありました。


アシュケナージは、いわば体制的な題名のついた表紙だけ見て中の本文を誰も読まなかったこの「ショスタコーヴィチの体制的作品」という本から、けばけばしい政府御用達の色のついたカヴァーをむしり取り、実物大の作曲者の本体を浮かび上がらせる。祝祭的な極彩色の飾り付けが排除され、さぁ感動してくれ!といわんばかりの押し付けがましい壮大さが消えた時、これらの作品からどんな実体が見えてくるか?その解答の一つがここにある。」


……。(汗)


や、やっぱり。イヤな予感、的中?
これ、正しくショスタコの意図したところの音楽が聴けるのでしょか?
ソ連の音」は、流れているのでしょか?
言葉はいいのだけど、「飾り付けが排除され」「壮大さが消え」なんて書かれると、「えっと…もしかしてそれは味気ないってことか?」とか、勘ぐっちゃったりする習い性。
不安だ。


しかし今日はまだ聴いていません。聴くヒマなかった。
わずかな猶予を与えられ、ちょっとホッとしてる自分がいたり…なんつって。
その実態が明らかになるのは明日以降となります。
というわけで、詳細は後日。


*1:とても楽しく、胸キュンで、ちょっと泣けちゃうステキな青春小説です。山本直純さんのキャラが最高!

*2:もちろん、アシュケナージの指揮に不安があるからですよ。