オイストラフのショスタコV協1番

先日買った、ショスタコーヴィチ協奏曲全集。
オイストラフムラヴィンスキーレニングラードPOの1956年の音源ですが…

震えましたよ!カッコよすぎてっ。

めっちゃくちゃ「ソ連の音」だ、これ。
って、出た!いつもの意味不明感覚コトバ(苦笑)。「ソ連の音」って、なんじゃらほい?とのツッコミはどうかナシにしてください。
そんな風にしか言いあらわしようがない、この漠然とした感覚。
単純に言うとたぶんそれは全体主義的な音(=プロパガンダ臭がする、キャッチーな音作り?)ってことかもしれません。いや、ショスタコのこの曲は一応は反体制的なものだろうから、機能としてはもっと自由度が高いものだとは思うのですが。
録音年の古さから来る若干のデッド感も影響してるだろうか?バイオリンの切れの良さから受けるイメージか?ああ、そういった理屈つけるとまた全然トンチンカンになっちゃうな。
とにかく「ソ連の音」だ、と思ったんです。そういうことにしといて。
滔々たるモスクワ川の流れや赤の広場の石畳を照らす鈍い日差しや、同じ服を着た群衆の波までをも感じさせる、想像の余地をたくさん抱えた音だ、と。
で、私はこれが大好きだ!と。


4楽章のブルレスク(これ、バーレスク(=どんちゃん騒ぎ)のことなんだろね、今ふと思ったけど。違うかな?)のバイオリンは出色で、ただただびっくり!という感じです。
とにかく、すごいリズム感。そこに技術が余裕で乗っかっちゃってる。
ノリノリなんですよ。しかも、どっしりと、確実に、華麗に、ノリノリ。
ロックだ、ある意味。
聞き比べてみると、レーピンなどはここの部分はついてくので精一杯という感じがでてるんですよね。
ヒラリーの場合も、すべってる(?焦ってる)ような気がする。上側だけをする〜っと。
こういうのも聞き比べて初めて気づくのだけど。
両者とも、オイストラフとは段違いです。
なんというか…深み、が。


たぶんショスタコの意図する音は、オイストラフの音で正解なのだと思う。
もちろん、この曲はオイストラフのもの(献呈されたもの)だし、ショスタコは彼のバイオリンの音を想像して書いたのだろうから、そりゃまぁ、ドンピシャであたりまえなんでしょうが…聴いてるこっち側が、やっぱり一番無理なくしっくりと聴けるってのも、確かにあるんですよね。
この協奏曲は、この盤で確定だと思います(今のところは。でも、たぶん。)。