神保町でボロージャを探す

「探している本があって、それを欲しい欲しいと強く思っているとね、いつか絶対、本の方からこっちにきてくれるんだよ。」


昨日、神保町の古書街を歩きながらそんなことを娘に語ったんだけども、自分で自分の言葉にジ〜ンとしてしまいました。
ホント、こういうことはある。絶対に”本が私のところにやってきてくれた”と思えるようなのが。
今回もあった。
やってきてくれたのは「音友」のバックナンバー(1987年4月号)です。特集が「アシュケナージバレンボイム」ってやつ。情報を得てからずっと探していたんですが、図書館にもオークションにも無かったのです。
神保町にならあるかも、とはずっと思っていたんだけど(で、実際そこにあったわけですが)、思った以上に古書店には「音友」バックナンバー自体が少なくて…そのほんの少しの中に偶然これが残っていたのでした。
それをみつけた瞬間、上の言葉が思い浮かんだんですな。
とはいえ、フタ開ければこの音友の特集は大した内容ではなかったんですけどね。
それでもこの本が私のところに来てくれたこと自体が嬉しく、それだけでもう大満足なのです。


行ってみたかったディスクユニオンのクラシック館(御茶ノ水にある)ってのにも初めて訪れてみました。
こはちょっとした語り草になりそうな店でしたよ。
なんというか…クラヲタ臭がヒドイ(爆)。他人のことなんてお構いナシに商品棚ににじり寄ってくるクラヲタ氏はどちらさんも「風呂入ってないだろ?」な匂いをあたりに撒き散らしております。
あの客層に混じってゆっくり商品見る勇気は私には無いわな(そもそも女がおらんし)。同行の娘(11歳)はほとんど息もできず、泣きそうでしたね。そそくさと店を出ましたが。
ジャズメンにはわりとオシャレな人多いのに、なんでクラヲタはああなんだろうか?
美しい音楽を聴きながら、どうしてわが身を振り返れないのか?単に清潔にするだけのことがどうしてできないのか?クラヲタがモテないとしたら、それはクラシック聴いてるからじゃないよ。夢中になるあまり、何か見えなくなったものがあるからです、きっと。
というわけで、クラシック館では何一つ物色できませんで、結局、神保町のフツーのディスクユニオンでクラシックセールやってたので、そちらでCD3枚購入しました。3枚の内訳は以下の通り。
スクリャービンピアノソナタ集…欲しかったんですが、高いので買わずにいたもの。安く買えて良かったです。
ベトベン交響曲5番7番…ボロ君の「運命」は聴いてみたかったんで、これも楽しみ。オケはフィルハーモニアです。
ベトベンP協3番4番…ショルティ版。メータとのしか持ってないのでこれも買ってみました。
いろいろ聴いてみたいものはあるけれど、とりあえず今は「払う金があるならばボロ君のを!」という心境なので、そればっかりです。


ちなみにこれらが戦利品。計3000円ほど。

それにしても今回は、念願の神保町詣でだったというのに、暑くて、ダルくて、(娘のお付き合いで)お台場で遊んできた後だったから疲れてもいて、ほんとにささっと大急ぎで買い物をしただけでした。残念至極。
次回はもうちょっといろんな店をのんびりと巡って物色したいですねぇ。次回いつになるかわからんけども。
つか、のんびりと街ブラする時間なんてそもそも今の私にはないのだが。
久しぶりに洋食屋「バンビ」の前を通ったら、急にあの揚げ物オンパレードなプレートが懐かしくなりました。
伯水堂のチーズケーキも、書泉の可愛い栞も、さぼうるのスパゲッティも、神田伯剌西爾の苦いコーヒーも、みんな懐かしい。
神保町はその昔は庭みたいなもんで、学生時代は富士見の学校から歩いて通っていたし、お勤め時代は乗り換え駅だったので、会社帰りに毎日のように本屋巡りをしてました。大好きな場所だったんですよ。
地方に越してしまってからは、なかなか訪れるのもままならなくなってしまいましたが。
ま、行きたい場所が憧れのように存在してる、というのは幸せなことではあります。
またいつか行ける日を楽しみに(^-^)。