あなたの腕の中は、ロシアの匂いがする。


モメ」のlaforumさんが、ボロージャお誕生日連動企画でピックアツプされてたCDのうち、未聴のものを聴いてみました。


プロコフィエフ:ピアノ協奏曲全集(プレヴィン/ロンドン交響楽団

これ、もしやと思って旦那に聞いたら、所持してました。車中に隠し持っておりましたよ!(隠してたわけじゃないw)
前に「プロコのPC1番がすごくカッコイイ!」と騒いでいたのは、アシュケナージ&プレヴィン盤だったということだったのね。どうりで何度も薦められたような気がしてましたが、上の空で話を聞いていた私が悪かったですよ、はいはい。


プロコフィエフのピアノ協奏曲、私は、1番と3番をキーシンアバド盤で聴いたことがあるだけです。で、それをかなり気に入ってます。(ハマリたてに、このへんに書いた
アシュケナージ&プレヴィン盤は、これとは明らかに違うアプローチで演奏されていて、とても新鮮でした。異なった魅力で、こちらも大いに気に入りました。
てか、個人的にはこっちの方が想像力が膨らむ気がしてスキです。より時代性地域性(要するに革命前後のロシアのイメージ)を得た雰囲気に満ちている気がしてドキドキしてきます。


いちばん大きな違いは、ピアノの立ち位置というか・・・キーシンアバドの一部としてオケと絶妙に絡んでおりましたが、アシュケナージはピアノとオケが混じらずに対峙しています。だからちょっとピアノが浮き上がったような孤立した感があります(心なしかオケが引っ込んでてピアノが前面に出ている感じ)。
この楽曲の場合、こうしたピアノの位置づけがものすごい効果をあげるのだということが、聴いているうちにわかってきます。
しかもアシュケナージのピアノの音は硬質でクリア。
その孤高な音のたたみかけはまさに「コンストラクシオン」の美しさ、です。
タトリンの第三インターナショナル記念塔構想(参考。CGで再現、だって。うひー)を彷彿とさせるかのような斬新さと構造美です。
ああ、めたくそ大好きだ!こういうの。
これに比べるとアバドの方は、甘く、ロマンがかっていて、ややヨーロッパ的だと思えます。ヨーロッパから見たロシア、かもしれない。これもまたこれでイイんですよ。


チャイコフスキー:THE SEASONS

一方こちらは、古い土着のロシア風味・・・というか、郷愁のようなものを感じさせる叙情性豊かな作品集です。
(ジャケ写がlaforumさんの挙げてるのと違うんですが、内容は同じです。)
18の小品集(Op72)は、家にプレトニョフ*1盤があるのを聴いていましたが、アシュケナージの方が、静かな・・というか、センシティブでロマンティックな感じです。本領発揮!といったところかもしれません。
子守唄などはマジで眠くなります(退屈だからではなく、うっとりと心地良いからですよ)。
「四季」は、ちゃんと全部聴いたのは実は初めてなんですが、有名な曲も入っているし、馴染み易く聴き易い作品集ですね。それを、すぐそばで弾いてくれているような気安さで、軽やかに聴かせてくれております。


夏の昼下がり。
翳った部屋のソファでうとうとと午睡しながら、ボロージャが弾く「舟歌」なんか聴けたら至福です。
草いきれの匂い、低く唸る蜂の羽音。目を上げると、窓の向こうには湖が光っている。
入道雲の蒼い空、風が渡る木々の梢・・・
音に包まれ寝返りを打つ。レースのカーテンが揺れる。レモネードのグラスが濡れて光る。
部屋には、少しきしむ床と、暖炉と、子犬と、アップライトの古いピアノ。ピアノの前にはもちろん、あなた・・・
・・・と、次第に小坂明子化してきそうなほど、きりもなく半径10メートル世界の想像が膨らんでしまいます。
そんな「あなたと私の世界」にうっとりとしちゃうような・・・つまり、とっても可愛くてミニマムな歓びに満ちた小曲集です。
オススメです。


やはりその血が湧く何かがあるのか、ロシアモノは巧いですね・・・ボロージャ。
2枚とも、どちらも最高にステキでした。
さすがボロージャにぞっこんなlaforumさんの選択です。とってもいいアルバムが聴けました。
スパシーバ!!

*1:全然関係ないんですけど、プレトニョフは以前「結婚するのだったら絶対に日本の女性がいいデス」とか言ってましたが(あれ、プレトニョフ・・・でしたよね)、その後ご結婚なさったんでしょうか?今も独身なのかな・・。いや、日本女性に対してすごいラブコールぶりだったんで、ファンは頑張り甲斐があるんじゃないかと・・・思ったものですから。