続・マッツ・リドストレムのカバレフスキー

こちらのエントリの続きです。

件のCDを手に入れました。
収録曲は、カバレフスキーの「チェロ協奏曲第2番」、ハチャトゥーリアンの「チェロとオーケストラのための協奏曲」ラフマニノフの「ヴォカリーズ」です。
ジャケ写…ボロージャのポーズが意味不明です。「胸がドキドキ」?
お疲れ気味の表情なので、動悸を訴えているようにも見えます。大丈夫ですか?


まず、お目当てだったカバレフスキーの「チェロ協奏曲第2番」。
この曲は構成が、1楽章→カデンツァ→2楽章→カデンツァ→3楽章となってます。
1楽章は全体、音が押さえ気味でよく聴こえないまま、なんとなくウゴメイテおるなぁという感じの地味な楽章です。
最初、主題がフルートで入ってくるあたりはイイんですが、それからしばらくブスブスと進展のない繰り返しが続き…5分を過ぎてやっと少しハデな展開が見えるものの、イマイチ面白くない。コントラバスがカッコいいですが、チェロはイイトコ見せられずに終わる感じ。
なんという華のない楽章でしょか。つまんないなぁ。
続くカデンツァもその延長。
ですが、このカデンツァの終わりから2楽章に入るところからいきなりむっちゃくっちゃカッコヨクなるのです!震える。
私が聞きたかったのはこの2楽章だったんです。これこれ、これだー。チェロも急に生き生きとし始める。
”ソヴィエトの音”がする。ああ!最高にカッコいい!!
続くカデンツアも前衛的でいい感じ…なんだけど、途中音が途切れて消えるのは何だろう?それがちょっとイライラする。
終楽章もとくになんということもなく。
つまりこの曲は最初のカデンツアから2楽章が終わるまで、が自分としては聴き所かな?という感じです。
チェロ関連で良く聴くソリストはデュプレとハレルなんですが、デュプレと比べるとマッツ君は優しげな上品な音を出しますね。ハレルのお弟子さんらしいですが、ハレルの演奏と似ている気がします。
お坊ちゃん風味というか。
これ、もうちょっとエキセントリックな奏者が演ったらもっとハマるのではないか?と思います。


ハチャトゥーリアンは派手です。しかもクドイね。でもとてもメロディアスで、ノセられる曲です。
それにしてもこの曲もヘンに中弛みがあるなぁ。3楽章は好きです。
ヴォカリーズは、期待してた分ちょっとがっかり。アレンジが好きじゃない(特にズチャチャチャズチャチャチャというアホのような伴奏のピアノ)。
この曲は自分の中で「これ」っていう理想形があるので…なかなかそれにぴったりくるものってのとは巡りあえないですね。基本が大好きな曲なので、取り上げてもらえると嬉しいのですが、何かヒトコト言いたくなってしまう。


実は先日、いつも繰り返し見てる昔のアシュケナージの弾き振りモツ12番(1990年ロイヤルフィルハーモニー)で、一番チェロを弾いていたのはマッツ君だったんだと気づきました。(顔は知っていたんですが、彼がマッツ・リドストレムその人だと認識できたのはつい先日です)
ほら↓

いるね(笑)。
↓真剣な顔でボロ氏を見つめてます。お隣さんは花粉症デスか?

ついでにボロ氏のアップ(遠景にぼんやりとマッツ君入り)をどうぞ。

なんかこういうの探してくのも楽しいッスね。