N響アワーの「プロメテウス」と「悲愴」

新年度N響アワーの第一回目。
アシスタントは高橋美鈴アナに代わりましたが、なんだか違う番組観てるようだったなぁ(笑)。
そつが無さ過ぎて全てが淀みなく進んでゆくというのも、寂しいものなのね?と思ったり。
喉元過ぎれば熱さ忘れる、か?(爆)
高橋さんはとても気持ちのよい方です。いい感じですネ♪


今回は「最近の演奏から」の2本でした。
スクリャービンの「プロメテウス」と、チャイコの「悲愴」。両方ともアシュケナージの指揮です。うひっ。
「プロメテウス」のソリストはヤブロンスキー。師弟共演ですな。
「プロメテウス」のウリは、スクリャービンが楽譜に記した「光」の演出を忠実に再現したことにあるようでしたが…どうも効果的でないように思いました。
ステージ正面の(わりと小さめな)四角いスクリーンにウニョウニョと光と色の模様が映し出されている図は、ちょっと…パソコン画面でメディアプレイヤーの音楽を聴いてるような気分になります。チンケな感じ(爆)。
あれ、後ろ全体をカーテンスクリーンにしてオーロラみたいに光彩を散らしたらステキだったんではないか?と思いますが。

以前、アバドベルリンフィル)とアルゲリッチの共演した「プロメテウス」をクラシカの番組で見たことがありますが…その時のほうが、舞台演出(←YMO風だった)は良かったように思います。
演奏は、アルゲリッチが気持ち悪すぎてアレだったんだけど、それは単に私が彼女の演奏に馴染まないだけです…ね、すみません。

今回のヤブロンスキーはすごく良かったと思います。
妙なウネリを入れることなく弾いてた感じで、わかりやすかったというか。あっさりしてるのに、ビシッとキマってる感じ。
エストロの指揮は…私には判断不能です(^^;;。
ただどうも、気持ちを持っていかれるってことはなかったような(爆)。


それにしても、実際は技術的に実現できない100年前にこういった演出のついた楽譜を書いたスクリャービンという人はスゴイ前衛作家ですね!
一番これを見たかったのはスクリャービン自身なんだろうなぁ。早く生まれすぎた天才の悲しさを思いますねぇ。
でも、このN響の演出じゃ、「おいおいちょっとまってくれ(汗)」かも(?)。
スクリャービンは「匂い」までつけた曲を構想していたともいいます。
うわー100年前のジョン・ウォーターズ*1か。


「悲愴」は2楽章からの放送でした。
これは良かったですよ!
「うわー、やっぱりイイなぁぁぁ〜今度このプログラムがあったら絶対行こう!」と思いました。
番組観たあと、どうしても「悲愴」をもう一度聴きたくなってCD棚をひっくり返して探したらヴァントの指揮(北ドイツ放送交響楽団)のがあったので、それを聴きましたが(ヴァントの方が悲愴感倍増な感じ。重い。)やっぱり、最終章が終わってシーンとなるとかなりどんよりした気持ちになるので、深夜に聴くのは不向きかもしれません(汗)。
なんかもう、救いがない終わり方するから引きずってしまうんだよね。*2

*1:匂いつき(正確には「匂いカード」付き。場面によって匂いを嗅ぎながら観る方式だったらしい)映画「ポリエステル」を作ったアメリカの映画監督。「悪趣味」系前衛作品多し。

*2:遺作だから。しかもその死には複雑な事情が絡んでいる(と思われる)ので感情処理も一筋縄では行かない感じ。