国内盤を買う理由

私は少し前までは中華芸能マニアで、CDを現地(多くは台湾、時には香港、ごくまれに大陸)から取り寄せては聴いていました。洋楽なども、安いので海外盤を買ってたし。
なのにクラシックは今のところ国内盤でないと買う気になりません。
それは国内のレコード会社の経営を慮ってるわけではなく、ひとえにライナーが読みたいから、という理由です。
ライナーがないと、聴いている曲がよくわからないのではないか?という不安があるんですよね。
こんな不安は、クラシックにハマる前は一度も感じたことがありません。
クラシックも初心者マークが取れたら、ライナー無しでも大丈夫になるとは思うのだけど…とりあえず、今はまだその域ではないのです。


思えば、日本盤中華CDのライナーに書いてあることなど、たいていがとっくに知ってる内容ばかりでした。
書いてる人間の、対象に関する知識も愛情も似たかよったかといった感じで、スゴイと思える評論家なども(私が思うに)おらず、「まだアタシの方がまともなこと書けるぞ」とエラそうなことを思う時もしばしば。
歌詞の邦訳などは自分で訳した方がはるかにマシでした。
なので、ライナーにほとんど存在価値がないくせに値段が高い日本盤は、できれば買いたくありませんでした。
まぁ、それでも、日本での中華芸能業界全体を少しでも応援するために涙を飲んで何度も欲しくもない日本盤を買いましたけどね。結局のところ、そんな行為は自己満足に過ぎず、市場的には無意味(というよりあまりに微力)でしたが。


クラシックのCDは輸入盤だと1800円くらいですが、同じものが国内盤になると2800円くらいの価格にハネ上がります。
私はライナーに書いてある評論家諸氏の解説文に、輸入版との差額分1000円を払ってると言っても過言ではありません。(実際はそればかりではないけれど、こっちの感覚としてはそう。)なので、その文章がヘボだった日には本当にガックリします。
がっくりしつつも、私はライナー目当てに国内盤を買い続けるでしょう。そこに頼らざるを得ないからです。
なので、評論家さんには頑張って欲しいと思うわけです。
「あなたの文章にはずいぶん大枚をはたいてるんですよ!」ということです。
ですから甘くも辛くも構わないけれど、どうか愛情のこもった文章をお願いします…と言いたい。
レコード会社の企画部さんは適当に人材を割り振らないで、できましたらそのアーティストに対して情熱と愛情のある人に解説文を依頼してください。ぜひ。